• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

Empirical studies on the knowledge network dynamics and the emergence of innovations

Research Project

Project/Area Number 19K13688
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

山田 恵里  名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 講師 (30706742)

Project Period (FY) 2021-03-01 – 2025-03-31
Keywords知識洗練性 / GIS / Auto parts logistics / Connectivity index / Chord diagram
Outline of Annual Research Achievements

製品や国におけるイノベーションの大きさ(知識洗練性)は,ネットワーク科学の分野で発展してきた複雑性指標を用いて示すことができる。国内の重要な基幹産業である自動車産業を対象とし,知識基盤を表す知識ネットワークをもとに計測した知識洗練性から,部品や自動車サプライヤが持つイノベーションの程度を測り,サプライヤの地理的な分布からどのような地域の産業集積でイノベーションが創発されているかを明らかにすることを目的とした。分析には,サプライヤの工場情報を整備したデータベースを構築し,GISを用いて分析結果を地図上に表現した。
分析結果より,知識洗練性が大きいサプライヤは愛知県を中心とする東海地域を中心に集積していることが示された。知識洗練性が小さいサプライヤも産業集積を形成する傾向はあるが,知識洗練性が大きいプライヤの産業集積に比してより広域に分布していることが示された。
また,自動車産業には広範な関連産業にまたがる部品を供給する多数のサプライヤが構成され,複雑な調達構造が知識ネットワークに関係していることが考えられる。自動車生産に関連する物流として自動車部品を輸送する「調達輸送」について,都道府県や広域地域ブロックを対象とした地域間流動に関する特性とその長期的な構造変化について明らかにすることを目的とした。分析には,物流センサスを用いて,発地・着地の二地域間の物流量に加えて二地域間に特有な経済活動の接続性の大きさを考慮する接続性指標を計測した。分析結果は地域間の貨物流動の構造を視覚的に表現するコードダイアグラムにより表現した。
分析結果より,地域間貨物流動の接続性指標を計測することにより,流動量だけでは捉えられない貨物流動の特性とその構造変化を示した。貨物流動量の大きい拠点間の関係だけではなく,貨物流動の全体構造を定量的に捉えたうえで,物流効率化施策を考慮することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は,自動車サプライヤの工場情報に関するデータベース構築を進めた。複数資料を用いていることからデータの整合性を高めるための確認作業が初期時点で計画よりも時間を要したが,分析に十分利用できるデータベースを完成させることができた。
また,研究のオンライン環境が整ったことからこれまで以上に異分野の研究者と交流できる機会に恵まれたため,物流工学を専門とする研究者と分野横断的な共同研究に着手することができた。共同研究は,オンラインで開催された国内学会において研究成果を報告し,発表で得られた意見を反映させながら学術雑誌へ公刊するため,論文としてとりまとめている段階にある。

Strategy for Future Research Activity

まず,国内自動車部品サプライヤの産業集積における知識ネットワークに関する研究を進める。各地域に形成されている産業集積にはイノベーションに寄与する知識洗練性の大きいサプライヤ群のネットワークだけではなく,多様な要因にもとづくネットワークが産業集積に根付いていることがわかっている。そのため,産業集積にはネットワークにどのような地域的・産業的な特性があるかを明らかにすることを目的とした研究を進める。分析には,データベース化したサプライヤの工場情報を利用する。サプライヤ間の地理的な影響を分析するため,探索的空間データ分析に加えて空間計量経済モデルを構築し,分析することを検討している。
つぎに,自動車部品の国内調達物流に関する研究では,今年度の研究成果をもとに報告が決定している国際会議に向けて分析を進める。国内自動車産業におけるサプライチェーン・ネットワークの創発の観点から,国内の物流効率化が複雑な自動車部品のサプライ・チェーンの創発や知識ネットワークに反映されているかを明らかにする。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の影響に伴い当初予定していた調査研究旅行が中止されたため。
国際会議での報告と論文の国際学術雑誌への投稿を計画していることから英文論文校閲などの人件費に充てることを計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 自動車部品の生産と調達に伴う産業技術と知識の地域集積2021

    • Author(s)
      蒋湧・河上哲・山田恵里・梶原純子
    • Journal Title

      愛知大学三遠南信地域連携研究センター紀要

      Volume: 7 Pages: 66-68

  • [Presentation] 自動車部品の国内調達物流における地域間流動の構造変化2022

    • Author(s)
      山田恵里・渡部大輔・河上哲
    • Organizer
      日本オペレーションズ・リサーチ学会2022年春季研究発表会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi