2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K13702
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森 祐介 立命館大学, 経営学部, 准教授 (50747590)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 企業の境界 / 参照点依存型選好 / 損失回避 / 権限関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書記載の本年度(2020年度)目標は、最終年度(2021年度)における成果発信をにらみ、前年度(2019年度)の研究成果を草稿にまとめることにあった。しかし、2019年度、予想を上回るはやさで、研究成果の査読付き雑誌への掲載を完了したため、本年度は次なる研究テーマの探索に取り組むこととなった。 折しも研究代表者には2021年度にサバティカル取得の予定があり、その受入研究者が企業の境界問題の行動経済学的分析において先駆的な研究(``Contracts as Reference Points'' Approach)に携わっていることから、新たな研究テーマは同アプローチに関連するものとした。具体的には、同アプローチの依拠するやや「特殊な」仮定をより一般的な行動経済学的仮定に置き換えることで、同アプローチの弱点を補強する理論的枠組みの構築を目指した。 結果として、標準的な参照点依存型選好と損失回避の仮定のみに依拠して、「企業内取引では、市場取引に比べて契約の不完備性が高まること」、「企業内取引は市場取引に比べて、不完備契約再交渉における損失感の発生確率を抑えられるものの、いざ損失感が発生すると、その大きさは市場取引を上回ること」を内生的に示す基礎モデルの構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に想定を上回るペースで研究成果を査読付き雑誌に掲載できたことを考えれば、研究課題全体としての進行状況は順調といえるだろうが、現在進行中の研究プロジェクトについては、まだ初期段階の成果しか得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り、2021年度に現在進行中の研究テーマについて先駆的な研究を行っている研究者のもとで研究に専念できる機会を得ている。また、訪問先の研究機関には、当該研究者のほかにも、研究代表者の研究内容に近しい分野を専門とする研究者が存在する。 2021年度においては、サバティカルを最大限に活用し、訪問先研究機関における研究報告・ディスカッションを通じて、研究代表者の個人研究の遂行はもちろん、共同研究可能性の探索にも力を入れる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、出席予定の学会やワークショップがいずれもオンライン開催となり旅費支出が当初予定を下回ることとなった。今後の状況変化にもよるが、2021年度は草稿準備費(英文校閲費など)や旅費を主な研究費使途とする予定である。
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