2021 Fiscal Year Research-status Report
損失回避的選好をもつ消費者に対する企業の戦略的行動の分析
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19K13703
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
広瀬 浩介 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (00822008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不完全競争 / 反競争規制 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年目となる令和2年度では、3件の成果を報告する。本研究ではバイアスを持った消費者の存在が企業の行動や最適な規制に与える影響を分析することが目的である。近年環境経済学の分野で、省エネなど消費者にとってbenefitが認識されづらい効果を持つ財に対するバイアスが指摘されており、その分析の前提となる以下の研究成果を報告する。 本研究課題に沿った研究として、"Tax versus Regulations: Robustness to Polluter Lobbying Against Near-Zero Emission Targets"を共同研究として書き上げた。 本研究では環境税による経済主体のインセンティブを誘導する間接的な規制と、排出量の規制による直接的な規制どちらの方が企業からの抵抗(Lobbying)が少ないのかを検証した。 本研究はワーキングペーパーとして公開済みであり、また国際査読雑誌へ投稿済である。
また、"Common Ownership and Environmental Corporate Social Responsibility"を共同研究として書き上げた。 本研究では近年投資市場で指摘されている市場を横断したinvest bankの存在が、企業の生産活動と排出抑制活動(abatement)へどのように影響を与えるのか検証した。 本研究は、国際査読雑誌へ投稿済であり改訂要求を受け現在再投稿済である。
さらに、消費者自身がbenefitを認識しづらい再エネ燃料を、企業が採用するのか不完全競争市場において分析を進めている。現在はモデルの構築と検証を終えており、第一稿を近日ワーキングペーパーとして公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度を控え、国際査読雑誌への投稿中の成果が2件あり、また現在論文として公開予定の研究が1件あることからおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き各トピックについて研究を進め、論文の改訂・投稿を進める。新しい研究についてはセミナーや学会での報告を通じて改善を図り、国際査読雑誌への投稿を進め、出版を目指す。
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Causes of Carryover |
2021年度は、前年に引き続き予定していた国際・国内での学会や研究会報告が新型コロナウィルス感染拡大により、当初予定していた支出計画を実行することができなかった。2022年度は論文投稿費、また英文校正費として支出が増える予定である。
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Research Products
(3 results)