2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Relationship between Time-Varying Structure of Anomalies and Speculative Bubbles in International Stock Markets
Project/Area Number |
19K13747
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
野田 顕彦 明治大学, 商学部, 専任准教授 (80610112)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | マルチファクターモデル / 状態空間モデル / 裁定価格理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,一般化最小二乗法(Generalized Least Squares; GLS)に基づいた多変量状態空間モデルを構築し,様々なマルチファクターモデルに適用することで,国際株式市場におけるアノマリーの時変構造について解明することである.今年度は,前年度までに実施したFama and French(1993, 2015, 2018, Journal of Financial Economics)の3/5/6ファクターモデルの通時的有効性に関する分析結果を踏まえ, 同モデルでは考慮することができないマクロ経済に起因するリスクファクターを追加した分析を実施することで,同モデルが機能しない期間が生じた具体的な原因を究明することにした.具体的には,代表的なマルチファクターモデルの一つであるRoss(1976, Journal Economic Theory)の裁定価格理論の有効性を検証したChen, Roll and Ross(1986, Journal of Business)を参考に,マクロ経済に起因すると考えられるリスクファクターとして,イールドスプレッドおよびクレジットスプレッドを明示的に考慮した分析を実施するためのデータ整備およびプログラム実装を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」でも述べたように,前年度までに実施したFama and French(1993, 2015, 2018, Journal of Financial Economics)の3/5/6ファクターモデルが機能しない時期が生じた原因について,同モデルでは考慮できないマクロ経済に起因するリスクファクターを追加した分析を実施することで究明しようと考えた.そうした追加的な分析を実施するに当たってRefinitiv Datastreamから取得したデータを分析可能な形に落とし込む作業に多くの時間を費やすことになった.また,それに併せて前年度までに構築した分析用プログラムの大幅な修正が必要になった.こうした観点から考えたとき,前年度までとは異なり,現在までの達成度は「やや遅れている」と判断している.
|
Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」でも述べたように,今年度に行った追加的な分析に必要なデータセットとプログラム実装を踏まえ,より精緻な分析を実施してそれらの解釈を実施する.また,研究成果については,国内外の学会や研究会において報告を行う.そして,得られたコメントに基づき論文改訂を行ったのちに,国際学術雑誌に投稿する予定である.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍における国際学会のオンライン開催によって,次年度使用額が生じた.今年度は,国内外の学会や研究会での研究報告を予定しているので,報告論文の英文校正に使用する予定である.
|