2022 Fiscal Year Annual Research Report
前近代日本の長期賃金データの数量的分析,8-19世紀
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19K13755
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
高島 正憲 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (70816511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 賃金 / 実質賃金 / 物価 / 生活水準 / 格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は,前近代における日本の賃金データの整備と時系列データの推計と整備,それにもとづく前近代日本の賃労働の分析を行うことである。最終年度である令和4年(2022)もCOVID-19の流行の影響のため,研究状況のみならず学務関係において困難な状況が続き,研究遂行は困難ではあったが,全体の総括に向けての作業を可能なかぎり実施した。概要は以下の通りとなる。 古代・中世:昨年度までの研究成果を踏まえて賃金データの整備,推計の見直しをおこなった。 中近世移行期:16世紀から17世紀までの社会経済の変革期における賃金のデータを整理・分析し,複数回の研究報告をおこなった(まとめられた研究成果は雑誌掲載論文として公開予定である)。 近世:京都の大工賃金についての長期の賃金データを取得するため,一次資料の調査を実施した。また,既存のデータの再整備をおこなった。 近代初頭:複数の統計資料における賃金データの見直しをおこなった。 全時期(古代から近代初頭):賃金の推移だけでなく,その背景となる社会経済の状況およびそれが賃金に与えた影響について,先行研究および文献資料の整理を改めておこなった。また,賃金情報だけでなく,労働者の生活環境についての非数値資料についても吟味をおこない,賃金データとの関係についての考察をおこなった。なお,本課題での全体成果を要約したものを,前近代賃金史を概観した書籍として刊行することが決定している。
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Research Products
(6 results)