2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K13758
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
古賀 康士 同志社大学, 経済学部, 准教授 (50552709)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 貨幣史 / 地域社会 / 在来金融 / 制度補完性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度にあたる2023年度も、上半期は新型コロナウイルス感染症の影響が残り、延期していた国内の現地調査などを充分に行えなかった。しかし、研究の取りまとめという点で一定の成果を収めることができたといえる。上半期にはブルガリア・ソフィアで開催された国際学会で口頭報告を行い、下半期には昨年度の海外報告を国内雑誌(日本経済史研究所『経済史研究』)に発表することができた。 5ヶ年に渡った研究期間は、文字通り、新型コロナウイルス感染症の発生・流行に翻弄されたものであったといえる。初年度をのぞき、2020年度以降は日本国内の資料所蔵機関での調査等が制限され、当初の研究計画を遂行することはできなくなった。この状況を受けて、研究期間を2年延長することになったが、その後も2023年度上半期頃までは感染症流行の影響が残ったままで、本研究の核となる現地調査を充分に行えなかった。 一方、そうしたなかにあって他の研究者たちとの協働によって研究を進展・深化させることができたのは、望外の成果であったといえる。加藤慶一郎氏(大阪商業大学)、三宅俊彦氏(淑徳大学)を研究代表者とする科学研究費の研究グループに加わることなどで、本研究に密接に関係する研究者たちから大きな刺激を得ることができた。また、2022年度・2023年度と海外の国際学会で報告する機会を得たことも大きかった。これによって貨幣と地域社会というテーマについて、比較史的な視座を深めることができた。 本研究期間中に発表できた関係論文は3件(その他の論考1件を除く)、口頭の関係報告は6件であった。このほか、研究期間内には成稿化が適わなかった研究成果があり、今後のさらなる展開に向けて重要な布石を打つことができた。本研究で得られた成果については、引き続き成稿化に努めていきたい。
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