2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on introduction and effect of the inspection tool in consideration of a human factor in the manufacturing industry
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19K13766
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
原口 春海 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (70796325)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生産システム / 人的要因 / 機械学習 / ニューラルネットワーク / 品質検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は製造業における人的要因を考慮した検品ツールの導入とその効果の検証をテーマとする3年間課題である.研究ステップは6ステップに分かれており,各年2ステップずつ進める予定となっている.1年次は「ステップ1. 品質検査部門の作業測定及び作業者の技能評価.および品質検査ツールに実装する機能とその優先順位を設定」と「ステップ2. 優先順位の高い機能を盛り込んだ検品ツールの開発」を行った. 具体的には,歯科用ドリルの製造メーカー様の協力を得て同一製品の検品を複数の作業者で実施してもらい,作業者によって判断が異なるケースを明確化した.その結果をもとに作業者の判断基準を4レベルに分け,畳み込みニューラルネットワークによる判別モデルを作成した.さらに作業者の判断のレベル分けを複数パターン用意した判定モデルの作成を行って精度の比較をした.その結果,良品の判断よりも不良品の判断に多くのばらつきが生じることが判明した.それぞれの判別モデルにおいてニューラルネットワークが抽出した特徴量と作業者の判断の違いを評価した.この結果をもとに,「明らかな良品」「明らかな不良品」「作業者によって判断が異なる」の3レベルに分けた品質検査ツールを開発した.この品質検査ツールは良品の判別率は高いが,不良品とあいまい判定の差が大きくなく,今後の課題となった.また,作業者は常に一定の作業が行えるとは限らないという前提のもと,作業者による作業効率のムラを数理モデル化し,数値実験を行った.研究実績は国内学会2回,国際会議1回の報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年次の目標であった,「品質検査部門の作業測定及び作業者の技能評価.および品質検査ツールに実装する機能とその優先順位を設定」と「優先順位の高い機能を盛り込んだ検品ツールの開発」を達成し,研究成果の報告を行うことが出来たので順調に進展していると判断する.また,作業者による判断の違いが当初の想定以上に複雑であることと,作業者の判断基準とニューラルネットワークによって抽出された特徴量が異なることも判明したため,単純な検品ツールの精度向上以外の課題も見つかり今後の広がりが期待できると感じている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては,2年次の目標として「品質検査ツール導入による,作業効率の変化を作業者ごとに測定し,ツールを用いた場合の作業者の技能評価」とその結果に基づいた「1年次に開発した品質検査ツールに機能を追加した新バージョンの品質検査ツール開発」を行い,3年次の目標である「新バージョンの品質検査ツール(Ver.2)導入による,作業効率の変化を作業者ごとに測定し,ツールを用いた場合の作業者の技能再評価」と「一連の作業者の技能評価をもとにした,作業者の人的要因の視点から作業自動化の効果をシミュレートする指針の提案」につなげる.具体的には開発した品質検査ツールをあくまで検品支援の位置づけとし,作業者の検品と併用して行うという使い方に基づいた作業効率及び作業者の技能向上を測定していき,次のバージョンの品質検査ツールに必要な機能を明確化したのちに,ツールの開発を行う.また,研究成果は随時報告するとともに論文の執筆も行う.
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Causes of Carryover |
2020年3月実施予定であった日本機械学会生産システム部門研究発表講演会が中止となったため,参加費及び旅費が使用されなかった.これについては,既発表扱いとなるが,発表論文集の代金の支払いが2020年5月に発生するためこの清算に充てる予定である.
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Research Products
(4 results)