2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K13768
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
カン ビョンウ 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (70735365)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特許ライセンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インターネット標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)の事例を用い、特許ライセンス戦略の実証研究を行うことを目的にしている。 本年度は二つのことを行った。まず、文献調査及び研究動向調査を行った。特に、2019年5月に、Northwestern大学のロー・スクールからの招聘で、同校が開催したワークショップ『First Annual Empirical Workshop on Standardization』に参加した。同ワークショップでは、関連分野の研究者と実務者が参加しており、彼らの発表聴講と話し合いを通じて、研究動向を把握することができた。まだIETFのデータを使った実証研究があまり少ないことを確認でき、本研究課題を提案した内容に大きな修正が必要ないことを確認できたのが収穫である。 次に、データベース構築に向けた準備を行った。本研究で用いるデータベースのウェブスクレイピングのテストを実施した。当初、研究代表者がウェブスクレイピングを行う計画だったが、想定より多くの時間を要することが分かった。次年度は同作業を外注し作業効率を上げることを目指す。また、データベースの一部の情報をいくつか選別して精読し、本研究で用いるデータに関する理解を深めた。その理解の基、これから構築すべきデータベースの構造について考えをまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、文献調査や研究動向の調査を行う予定であったため、その面で、計画通りであった。予想外だったのは、Northwestern大学ロー・スクールからの招聘でワークショップに参加したことであった。結果的に、効率よく研究動向を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度にはデータベースを構築し、記述分析を実施することを目標にする。まず、本来研究代表者が行うつもりでいたウェブスクレイピングを外注し、本研究で用いる研究データベースを構築する。外注先は研究代表者が所属する研究機関の学生から探すことにする。 また、もしデータベース構築作業が年度内に終わるのであれば、データベースを使った記述統計を行う。記述分析を通じて、当初提案した研究内容を実施できるか確認を行う。しかし、コロナウィルスの問題が通常業務(教育と学務)にも影響を及ぼす可能性があり、研究活動に支障が生じる可能性がある。したがって、次年度はとにかくデータベースの構築に集中するよう心掛ける。次年度に遅れが生じる場合、再来年度に巻き返せるように準備を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、国内出張をしてなく、その分とほぼ同じ額が余ったからである。しかし、次年度使用額は受領額から1割未満の額なので、予算執行は計画から大きく離れていない。 なお、次年度、こちらの研究費は2020年度助成金と合わせて外注作業に使用する予定である。 作業を外注する分の予算は本研究計画書を提出した時には想定していなかった。しかし、2020年度はコロナウィルスの問題で国内・海外出張に行ける可能性が低い。国境が閉鎖されているのもあるが、2020年度に開催が予定されていた国際会議やワークショップがキャンセルされたり、次年度に開催が延期されている。このような状況では、状況がよくなり国内・海外出張に行けたとしても、少ない回数や近場・短期間の出張に留まり、予算が余る可能性がある。ここで余る予算を上記したウェブスクレイピング作業の予算に充てる。
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