2023 Fiscal Year Annual Research Report
Application of virtual reality technology to path data collection on in-store purchase behavior and assessment of in-store sales promotion
Project/Area Number |
19K13789
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
石橋 健 兵庫県立大学, 社会情報科学部, 助教 (30749221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / 顧客動線 / アイトラッキング / 消費者行動モデル / 社会的影響 / 店内販促 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に実施したテスト実験で収集したデータの分析と関連研究のさらなる調査を行い、成果発表と今後の実験計画を検討した。テスト実験のデータとして、(1)一つの棚を対象とする購入商品の選択、(2)店内回遊における移動経路の選択の2つを用いて分析を行った。(1)の分析では、視線計測を用いた既存研究と同じように、ある商品へ注目した時間が長いほど、その商品を選択する傾向があることを確認した。つまり、仮想現実(VR)空間でも、現実空間と同じように消費者行動に関する視線計測実験を行えることを示した。また、選択対象の商品カテゴリーの消費頻度が高いほど商品へ注目する時間が長くなり、商品へ注目する時間の長さは消費頻度と商品選択を媒介する役割を持つことを示した。(2)の分析では、仮想空間に作成した店舗内の通路の左右に仮想の人型オブジェクトを配置して、人型オブジェクトの数が移動経路の選択に与える影響を調査した。店舗内の売場における他の買い物客の人数が与える影響は既存研究では社会的影響として扱われており、仮想空間では人型オブジェクトの配置を自由に行えるためコントロールしやすいという利点がある。テスト実験で収集したデータでは、限定的ではあるが通路の左右で人型オブジェクトの数が異なるときに人型オブジェクトが多い棚の付近を移動経路として選択する傾向があることを確認した。一方では、文献調査より、仮想空間を用いた既存研究では、仮想空間では社会的影響が弱くなることが報告されていた。よって、仮想空間における社会的影響について、仮想空間と複合空間、また人型オブジェクトの行動パターンや被験者の個人属性との類似度などを考慮した基礎実験の検討を行った。
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