2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K13792
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
松尾 健治 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (60805175)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レトリカル・ヒストリー / 失敗 / ストレッチ・ゴール / スティグマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の学術的研究課題は、組織におけるレトリカル・ヒストリー(以下、「RH」と略す)が失敗する場合、どのようなメカニズムで失敗するのかを明らかにすることである。研究期間初年度の当年度においては、これまでに収集した鐘紡などのデータを活用した事例研究を進めてきた。 具体的な成果としては以下のものが挙げられる。まずRHに関する論文を2本執筆した。(①「レトリカル・ヒストリーとその失敗のメカニズム ―見過ごされてきた論点と今後に向けた方法論的考察―」『経営学論集(Web版)』②"Mechanisms of Failure of Rhetorical History Targeting Internal Organization")執筆した。また、派生的な研究についても2本の論文を執筆している。1つはアッパーエシュロン研究に関する論文である("Top Management Team Dynamics from an Upper Echelons Perspective")。もう一つは、ストレッチ・ゴールが組織サーチに与える影響の研究である("Why and How Stretch Goals Affect Organizational Search Negatively")。 学会発表については、第79回Annual Meeting of the Academy of Managementにおいて"Mechanisms of Failure of Rhetorical History Targeting Internal Organization"という題目で発表を行った。この発表は、本科研費研究課題に関連する中核的な研究発表であり、発表時の議論を活かすことで最終的な研究成果に発展させていく土台となり得る。また、派生的研究についても、日本経営学会第93回大会において「組織におけるスティグマとレジリエンス」という題目で発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要において述べた通り、論文3編の執筆および学会発表2回を実施しており、精力的に研究成果の発信に務めている。学会発表のうち1回は、経営学において最高峰の国際学会Academy of Managementでの発表となっている。この発表にあたってはフルペーパーの論文を執筆、審査に合格のうえ発表が実現している。
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Strategy for Future Research Activity |
学際的な文献研究を進めて、より精緻な理論化を目指していく。そのうえで、先述のAcademy of Managementで発表した内容について改訂・洗練し、海外ジャーナルに投稿、掲載を目指す。このほか、国内の組織学会においてRHに関するレビュー論文の発表を目指す。派生的な研究についても、ストレッチ・ゴール研究、スティグマ研究、アッパーエシュロン研究に関して論文を執筆し、海外ジャーナルでの掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年2月~3月に海外を含むいくつかの研究に関連する出張を予定していたが、COVID-19の感染拡大状況を踏まえて自粛したため、旅費での使用が当初見込みより少なくなった。 次年度以降、COVID-19の状況を見極めながら、研究に必要な出張を行う予定。
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Research Products
(6 results)