2021 Fiscal Year Research-status Report
労働時間の適正化へ向けた人事労務管理の柔軟化に関する研究
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19K13794
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡部 あさみ 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10723033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 長時間労働 / ワーク・ライフ・バランス / 労働組合 / オーストラリア / ニュージーランド |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、本研究課題の背景にある問題意識の整理、および、文献収集、2019年度に実施した調査データの一部について分析を行った。 その研究成果は、2021年にSpringerから出版された『Corporate Social Responsibility and Gender Equality in Japan: Historical and Current Perspectives』の第8章「The Changing Human Resource Management and the Progress Towards “Better Work Environments” in Japan」として成果発信された。また、労働時間管理の適正化へ向けた人事労務管理のあり方やそれに対する労働組合の関与について検討を加えた「労働時間規制は「古い」のか? 時間管理の自己責任化を食い止めるべき」が『情報労連REPORT』2021年11月号(http://ictj-report.joho.or.jp/2111/sp01.html)に発表された。 本研究課題の対象は日本・オーストラリア・ニュージーランドの三ヶ国であるが、上記の研究成果は主として日本の労働時間について論じたものである。2021年度における研究活動を通じ、本研究課題におけるテーマを振り返り、今後、本研究課題の方針を見直すことができたと認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育休・産休を経た職場復帰から1年目ということもあり、研究遂行がやや困難な状況が続き、本研究課題の進捗状況はやや遅れている。2021年度は、2019年度に実施した日本・オーストラリア・ニュージーランドを対象とした三ヶ国調査のデータ分析、研究成果発信、2022年度に実施する二次調査の調査票作成へ向けた準備を行う予定であった。しかしながら、調査の背景にある問題意識の整理、および、文献収集、データの一部についての検討にとどまってしまった。2021年度にできなかったデータについては、分析事項の再検討の上、2022年度以降にデータの分析・成果発信をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施した日本・オーストラリア・ニュージーランドにおけるホワイトカラー労働者を対象としたアンケート調査の分析を行いながら、2022年に実施予定の調査へ向けた準備を行う。本研究の問題意識の一つである労働時間管理と仕事管理の在り方、そこに労働側の意見がいかに反映されているのかという点に問題意識に焦点を絞って調査研究を行うことができるよう、調査対象となっている三ヶ国の労働時間をめぐる事情について資料・文献を通じて情報を整理する。
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Causes of Carryover |
前年度未使用分については、2022年度以降の研究計画に基づき、経費の使用を計画している。
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