2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on customer orientation and the construction of organizational routines
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19K13802
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
筈井 俊輔 京都大学, 経済学研究科, 特定助教 (20837538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織ルーチン / 顧客志向 / ICT / 空間分業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、サービスの価値創造について組織的側面からアプローチし、顧客志向的なものの構成とメカニズムを明らかにすることである 。従来、顧客満足は企業が「顧客志向」という準則を持ち、マニュアルや行動プログラムを適切に配置することによって実現されると考えられてきた。しかし、このような枠組みでは、サービスの経験価値や価値共創といったポストモダンの価値創造を説明することは困難である。そこで、本研究は存在論的検討及び方法論的転換を図る。本年度は,主に文献調査と分析フレームワークの構築,調査受け入れ先の探索に注力した.前者においては,本研究の存在論的・方法論的基礎として学術論文を発表し,国際学会でも報告することができた.後者においては,現地調査とインタビューを実施し,今後の調査の受け入れ先とすることができた.新たな調査先の開拓にもつながり,さらなる研究の発展を見込んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,本年度は①「顧客志向とサービス形成調査」における分析フレームワークの構築とデータ収集・分析,②「空間分業における顧客志向とサービスイノベーション調査」のための文献調査及び業界調査,調査受け入れ先の探索と交渉,③「組織の物理的構造に関する文献レビュー及び理論研究」を実施する予定であった.①に関しては,本年度後半に顕在化した新型コロナウィルス感染症拡大の影響でデータ収集に遅れが出ているが,文献調査及び分析フレームワークの構築については遅れを補う程度に進捗している.②③については,その存在論的・方法論的な基礎となる成果として,学会発表及び学術論文の発表ができた.また,調査受け入れ先についても確定し,来年度から本格的な調査を開始する予定である.これらの進捗状況と成果踏まえて,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も当初の研究計画を念頭に活動したい.ただし,上で触れた新型コロナウィルス感染症拡大の影響を考慮して,データ収集や調査方法の是非を検討する必要性があると考えている.既に実施中の調査では,ウェブ会議システムを用いたインタビュー等で代替を試みている.より良い方法の探索を継続したい.また,今年度開拓できた新規の調査受け入れ先との関係も,より強力なものとしていきたい.本年度に調査した企業の事例及び理論的研究については,順次,成果発表を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
本年度後半に顕在化した新型コロナウィルス感染症拡大の影響で,予定していた現地調査が延期され,そのための旅費が残る形となった.
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Research Products
(5 results)