2019 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な開発目標におけるソーシャル・ビジネス・エコシステムの潜在性
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19K13808
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
中村 寛樹 中央大学, 商学部, 准教授 (20645262)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会起業 / ソーシャル・ビジネス / ビジネス・エコシステム / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実績について、初年度は、本研究の【目的1:SDGsの目標に対応したSBにおける社会課題の再定義とSB評価指標の構築】を達成するため、まず、既存研究および指標について網羅的にレビュー・整理した。その際、既存の多様な事業評価指標との関係性についても明示し、SBの評価指標が、SDGsの目標指標のみならず、既存の多様な評価指標とどのように対応するかを提示した。 その後、SBの現況を把握するため、既存の国際調査(GEM調査)で明らかにされている通り、SBが盛んな国と、盛んでない国の事例としてドイツおよび日本で現地調査を実施し、うち日本で、【目的2:SBEにおける実践者と支援者との関係およびその潜在性の分析】を達成するために、個人を対象とした、アンケート調査項目を作成し、アンケートを実施した。調査項目では具体的に、SDGsの16の目標への関心度や認知度、SBの従事経験の有無、関心の有無、支援の有無、年齢、学歴、所得、職歴などの個人属性、さらには、生活満足度などの主観的評価を尋ねた。 また、以上の研究結果については、国際学会において研究発表を行うと同時に、その成果の一部を一般向けのビジネス書にて公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況に関して、研究実績に記載の通り、【目的1:SDGsの目標に対応したSBにおける社会課題の再定義とSB評価指標の構築】を達成するため、まず、既存研究および指標について網羅的にレビュー・整理することができた。 また、SBの現況を把握するため、ドイツおよび日本で現地調査を実施することができたと同時に、うち日本で、【目的2:SBEにおける実践者と支援者との関係およびその潜在性の分析】を達成するために、個人を対象とした、アンケート調査項目を作成・アンケートを実施することができた。 以上は当初の研究課題の計画通りであり、本研究はおおむね順調に新t年しているといえる。 なお、以上の研究結果については、国際学会において研究発表を行うと同時に、その成果の一部を一般向けのビジネス書にて公刊しているものの、アンケート調査の結果をすべて論文としてまとめきれていないため、次年度以降、早急に論文にまとめていくことが必要であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては、当初の研究計画の通り、2年目は、初年度および2年目で実施した調査の結果を基に、対象サンプルとなる個人を、SB実施者・支援者、さらにはそれらの潜在的SB実施者・支援者(潜在者)に類型化(カテゴリーデータ化)する。そして、前述した類型別の属性や個人属性のみならず、SDGsの16の目標に関連する変数をいれて多項ロジット分析を実施し、SB実施者・支援者(もしくは潜在者)を規定する要因(変数)を明らかにする。同時に、SBのシステムとしての関係性(SBE)を定量的に明らかにする。研究成果は、国際ジャーナルに論文として投稿する。 国内外の学会で逐次口頭発表し 最後に、3年目では、【目的3持続可能な社会に向けたSBE形成のための施策の検討】を達成するために、以上の分析を基に、持続可能な社会に向けたSBE形成のための施策を検討する。具体的には、統計的な定量・実証分析の結果を基に、どの分野にどのような施策が必要か(実践者を増やすか,支援者を増やすかなど)、その施策を実施した際の複数のシナリオに基づいたシミュレーションを定量的に実施する。 ただし、世界的なコロナウイルス拡大のため、国内外の出張が困難となり、特に海外での学会発表および調査は実施できない可能性が高いため、計画を一部変更することが考えられる。その際は、計画が予定通りに進まなかった際の、想定していた対応の通り、日本国内での調査と海外の公開統計の分析で代用することで、十分な研究成果を得ることとする。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は 異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進め ていく。
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Research Products
(7 results)