2021 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な開発目標におけるソーシャル・ビジネス・エコシステムの潜在性
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19K13808
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 寛樹 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20645262)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソーシャルビジネス / エコシステム / SDGs / 社会企業投資 / インパクト評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実績について、三年目となる本年度では、初年度で実施したアンケート調査の結果を分析した。この分析は、昨年度の分析から改善したものである。具体的には、対象サンプルとなる個人を、ソーシャルビジネス(SB)実施者・支援者、さらにはそれらの潜在的SB実施者・支援者(潜在者)に類型化し、SDGsの16の目標に関連する変数や、ユヌス・ソーシャル・ビジネスへの理解度に関する変数などを入れてSB支援者(もしくは潜在者)を規定する要因(変数)を明らかにしたのみならず、それらの日本における地域的特性も考慮に入れた。研究成果については,論文を執筆し、国際ジャーナルに投稿した(査読中)。加えて、潜在的SB実施者や支援者に対する詳細なヒアリング・インタビュー調査をオンラインで実施した。また、それらの知見をもとに、いかにSB支援者と実施者を有機的に結びつけるか、そのためにはどのような仕組みづくりや評価の在り方が必要か(ソーシャル・ビジネス・エコシステムの構築およびインパクト評価の評価指標)について、理論的・実践的検討を行い、それについても論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の通り、おおむね順調に進展しているものの、COVID-19による影響のため、国内外での学会参加はせず、本年度実施予定であったアンケート調査についても延期するなど研究計画を変更した。しかし、学会参加の代わりに論文執筆およびジャーナル投稿を実施し、研究を進めることができた。本研究期間を一年度延長し、最終年度となる次年度には最終アンケート調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、研究期間を一年度延長し、次年度が最終年度となる。過年度に引き続き、世界的なコロナウイルス拡大のため、国内外の出張が困難となり、特に海外での学会発表および調査は実施できない可能性が高いため、オンラインでできる範囲で実施予定である。また、最終アンケート調査をウェブ調査で実施し、その成果を至急論文として取りまとめるなど十分な研究成果を得ることとする。
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Causes of Carryover |
本年度は、本研究の最終年度として、アンケート調査費用を計上していたが、本研究の初年度に実施した調査データの分析を継続して実施したため、また、コロナの影響が調査結果に大きく影響すると考えられたため、当該アンケート調査の実施を見送った。 今後の計画として、研究期間を一年間延長し、上記のアンケート調査の実施およびその分析を実施予定である。また、それらの成果をまとめた英語論文の英文校正費も支出予定である。
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Research Products
(4 results)