2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13812
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
林 祥平 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (30757109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会的投射 / 文化 / 組織社会化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会的投射(social projection)を通じて「従業員はどのように信念・認識の共有を行っているのか」そして「それを組織がマネジメントできるのか」を明らかにすることである。 第1に、米国と日本における様々な組織に勤務する従業員に同様の質問紙調査を2度実施し(N=358,408)、その回答の比較分析を行ったところ、米国と日本の従業員は異なるプロセスで社会的投射を行っていることが明らかになった。具体的に、米国人は類似性を知覚する相手に対して投射を行うのに対し、日本人は相手が日本人か外国人かで大きく投射の程度を変えていることが示された。この結果は、文化の多様性を高めた組織において、投射のマネジメントの困難さを示唆している。 第2に、上記で先行研究に則って説明可能な米国で働く従業員に対して質問紙調査を行ったところ、組織社会化が発達している従業員程、社会的投射を積極的に行うことが明らかになった。この結果は、従業員の育成がコミュニケーションの円滑化に繋がることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のテーマに関し、現在までに2つの質問紙調査を実施し、そのうち2つの論文化及び海外査読付きジャーナルに投稿が完了している。それに並行して、新たな調査を複数企業に対して依頼済みであり、年度内に新たな調査結果を論文化できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の新たに計画している調査では、リーダーシップと社会的投射の関係性、および社会的投射の負の側面に着目して検討する予定である。これを明らかにすることで、社会的投射を単に促進していく施策を検討することが是かどうかを示すことができる。
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Causes of Carryover |
英文校正を当初想定していたのとは異なる業者に発注したところ、差額が発生した。そのため、この差額分は今年度の新たな調査費用に充当する予定である。
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