2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K13812
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
林 祥平 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (30757109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会的投射 / 営業行動 / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる2020年度は、(1)2019年度中に取得していた実験データを用いた論文化、(2)社会的投射(およびそれに関連する現象である後知恵バイアス)を規定する要因とマネジメントの可能性について先行研究レビューを行った。 (1)実験データを用いた論文化:これまで行なわれてきた社会的投射の研究は、個人の認知メカニズムに焦点を当てるものが多く、行動の変化およびその行動が周囲に与える影響について議論するものは極めて少なかった。そこで、実験を行い、参加者に営業場面を想定したロールプレイングをしてもらい、得られたデータを論文化した。結果として、社会的投射が交渉の結果にどのような影響を及ぼすのか、どういう相手に対して人は投射しやすいのかを明らかにすることができた。 (2)社会的投射・後知恵バイアスの規定因に関するレビュー:心理学を中心に議論されてきた両概念は、規定因についても認知や刺激に関わるものが多い。しかし、人の自己意識が両現象に対して作用する議論も一定数あり、そこを中心にレビューを行っていった。その結果、人材育成が非合理的行動を引き起こす可能性が見えてきた。この議論を発展させ、調査に繋げていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は企業への質問紙調査やインタビュー調査を複数回計画していたが、新型コロナウィルス感染症の流行により、どの調査も実施が難しくなってしまったため。また研究成果を海外学会で報告予定であったが、同様の理由で開催が延期になってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の2021年は在外研究にて海外の日系企業に調査を予定していたが、渡航できなくなってしまったため日本で実施可能な範囲で企業調査をする計画に修正している。また上記2020年に実施したレビューを企業調査およびインターネット調査を用いて検証し、論文化する予定である。昨年延期になった学会が本年度開催されるため、そこで研究成果を報告する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により、国内・海外渡航が困難になったため、そこにかかる渡航費及び大会参加費が発生しなかったためである。ここで発生した額については調査費として使用予定。
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