2020 Fiscal Year Research-status Report
The exploration of the mechanism through which middle managers achieve divergent behavior.
| Project/Area Number |
19K13817
|
|---|
| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
|---|
Principal Investigator |
森谷 周一 関西学院大学, 商学部, 助教 (30802037)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | ミドルマネジメント / 逸脱的活動 / 戦略的役割 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、ミドルマネジメントが逸脱的行動を発揮するための個人的特性について、既に収集したインタビューデータを活用しながら分析することで、探索的に明らかにしようと試みた。その過程では、AMO理論を援用することで、個人がパフォーマンスを最大化させるための諸要因について整理した。その結果、自らアイデアを創造し、上層に提案するという逸脱的活動の代表的な側面が、ミドルマネジメントに内在する提案のための能力、モチベーション、機会によって下支えされていることが明らかとなった。
また、ミドルマネジメントの逸脱的活動を観察・検討する中で、ミドルマネジメントはトップマネジメントとの間での逸脱的活動を通じた相互作用を行っているのみならず、人事部を中心とした人材マネジメントに関わる主体ともコミュニケーションをとりながら、相当程度の時間を職場や部下のマネジメントに時間を割いており、これが逸脱的活動に費やすための活動時間に影響を与えていることが明らかとなってきた。そこで、逸脱的活動に関連するミドルマネジメント研究を補完する位置づけで、ミドルマネジメントによる人材マネジメントの実行に焦点を当てた、新たな研究を開始した。2020年度は文献レビューを中心に検討課題を精査し、日本企業に固有の方法でミドルマネジメントが人材マネジメントへ関与していることを明らかにするとともに、どのようにミドルマネジメントが人事部と関係性を構築しているのかについて深耕していくことを決定した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は新型コロナウィルスの影響で、インタビュー調査の実施が大幅に制限されてしまった。ただし、研究計画および論文全体の構成の中で、調査以外の部分についてはおおむね順調に進展しており、次年度以降も調査を継続することで、全体の計画としては問題ない範囲の遅れであると考える。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後は、インタビュー調査を中心として積極的にデータ収集を実施し、厚い記述に基づく分析と論文執筆を目指す。また、研究を進展させる中で見いだされた新たな研究課題についても、並行して検討を続ける。しかしながら、新型コロナウィルスによる企業活動および研究活動の制限によって、インタビュー調査をどれほど実施できるのかについては、不確実な部分が継続して残っている。
|
| Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、国内・海外での調査が実施できなかったことにより、使用額が当初の予定より少なかった。次年度は、研究環境の整備や出張旅費を主たる費目として使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)
