2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13821
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
鈴木 和宏 小樽商科大学, 商学部, 教授 (10708366)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブランド経験 / 顧客経験 / 価値共創 / 同時的消費経験 / 統合的消費経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目標は、昨年度に引き続き「ブランドの統合的消費体験によるブランド経験および顧客経験への影響の検証」であった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、対面での実験が難しかったため、顧客経験及び価値共創に関する先行研究の整理を行った。また、対面での調査が難しかったため、やや補足的な検討にはなるが、webにて消費者ヒアリングを行い、顧客経験における価値共創の影響とその動態性について考察を行った。 先行研究の整理については、顧客経験については測定状況を中心に2017年~2021年の海外論文を中心に行った。特に質問票調査における測定尺度を中心に整理を行うと、尺度開発は大まかに3つの視点で行われており、反応を測定しようとするもの、タッチポイントを対象に測定しようとするもの、その両方を合わせて測定しようとするものがある。また価値共創については、概念整理および研究の流れを整理し、その結果を他の研究者が編者である書籍に掲載した。価値共創の概念は多義的であるためこれを整理することで、本研究における価値共創の位置づけを明確化した。 顧客経験における価値共創の影響とその動態性についての補足的な考察については、顧客経験が他者との価値共創により形作られているのかを確認するために行った。具体的には、価値共創による大きな影響が推測される社会人留学経験者に対し、留学経験に関するヒアリングを行った。詳細な分析は現在実施中ではあるが、あるブランドの顧客経験は、他の主体(教員、生徒など)との相互作用により規定されるとともに、消費時点の顧客体験と消費後に振り返った顧客経験は異なることが明らかとなった。したがって、消費時における同時的消費体験とその後の顧客経験は異なる可能性があることが示唆された。詳細な分析完了後、論文化し発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は学生を対象とした対面での実験調査を当初は計画していたが、新型コロナウイルスの影響により、当該調査を延期している。具体的には研究計画の「2ブランドの統合的消費体験によるブランド経験および顧客経験への影響の検証」(【研究実績の概要】の1つ目の仮説モデルの検証)、「顧客経験によるブランド経験の影響とその要因の究明」(【研究実績の概要】の2つ目の仮説モデルの検証)についての調査が未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月から新型コロナウイルス感染症の5類感染症へと移行したことから、ボトルネックとなっていた対面での実験調査が可能となったため、2023年度中に本務校にて対面調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
「その他」の項目について調査費用が計画通り支出できていないため、次年度使用が生じた。その理由は新型コロナウイルスの影響により調査が延期されているためであり、2023年度に実施・使用する。
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Research Products
(2 results)