2019 Fiscal Year Research-status Report
期間限定商品における残り時間が消費者の情報処理に与える影響
Project/Area Number |
19K13824
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
三富 悠紀 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (60827856)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時間圧力 / 期間限定 / 値引き / 期間限定セール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、期間限定商品を対象として、期間限定商品の販売終了までの残り時間の変化によって、消費者の期間限定商品に対する購買意図が どのように変化するか捉えることである。 令和元年度は、期間限定セールを対象として、期間限定における表示する時間によって、消費者の商品に対する購買意向がどのように変化するかを目的としたアンケート調査の実施にむけて、既存研究のレビューを行い、仮説構築と調査設計を実施している。「期間限定」に関する既存研究のレビューを実施した結果、期間限定は商品に対する希少性を想起させ、商品の購買意図を高めることが指摘されているが、期間限定の商品の購買意思決定において、時間に対するプレッシャー(以下、時間圧力)を知覚するのか、時間圧力が購買意図にどのような影響を与えるのかについて議論がなされていないことが明らかになった。また「期間限定セール」を取り扱った既存研究は、「値引き」が消費者の購買意図に与える影響について着目しており、「期間限定」と「値引き」の相互作用が、消費者の購買意図に与える影響が不明確であることが明らかになった。 そこで、「期間限定」と「値引き」の相互作用が購買意図に与える影響を明らかにするための調査を実施に向けて、調査設計を実施している。近年では、大手ECサイトで定期的に期間限定セールが実施されていることを踏まえ、ECサイトでの期間限定セールにおける スニーカーを対象とした調査案を策定した。スニーカーを対象とした理由に関しては、消費者間におけるスニーカーのこだわりの度合いに大きな差があると考えられること、期間限定商品が定期的に販売されていること、定価価格から高価格帯まで、幅広い価格帯の商品であることがあげられる。実績概要執筆時には、インターネット調査会社に調査を依頼しており、調査結果待ちである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗状況は、やや遅れていると評価します。その理由としては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、①インターネット調査会社に委託した消費者アンケートの実施に時間がかかっている、②研究結果の報告を予定していた学会の延期の2点があげられます。
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Strategy for Future Research Activity |
インターネット調査会社に委託した調査の結果をもとに、共分散構造分析を用いた分析の実施を計画している。また2020年度中に学会で報告し、学会報告で得たコメントをもとにして、追加調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、当初はインターネットを利用した予備調査を実施し、期間限定セールにおける消費者の意思決定について概観する予定であった。しかしながら、既存研究のレビューを実施した結果、「期間限定商品」と「期間限定セール」では消費者の知覚する時間圧力の強さや、消費者の購買意図に影響を与えるメカニズムが大きく異なると考えられたため、調査案の設計に時間がかかったためである。 使用計画については、推進方策で述べた通り、インターネット調査会社に調査を依頼中である。また追加調査を実施する予定である。
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