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2020 Fiscal Year Research-status Report

潜在意味解析モデルと計算機シミュレーションによる決定方略の推定と意思決定支援

Research Project

Project/Area Number 19K13825
Research InstitutionUniversity of Shizuoka

Principal Investigator

玉利 祐樹  静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (60737360)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords意思決定 / 社会的意思決定 / 過程追跡法
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は、意思決定方略の組み合わせによる集団意思決定の結果の変化を検討するために、集団意思決定における多属性意思決定の計算機シミュレーションを行った。本シミュレーションでは、集団の各成員が、意思決定方略を用いて選択肢を順位付けし、最も好ましい選択肢に投票したと仮定した。また、集団は、過半数の投票を得た選択肢を採択するとし、過半数の票を得た選択肢がない場合は、1票以上の票を得た選択肢の中から無作為に選択するとした。シミュレーションで検討した意思決定方略は10種類(連結型、分離型、辞書編纂型、半順序辞書編纂型、EBA型、荷重加算型、等荷重加算型、加算差型、勝率最大化型、ランダム型)であった。集団のサイズは3とした。指標として、相対的正確さ(RA)と、認知的努力(EIP)を求めた。意思決定方略の組み合わせがRAに与える影響を検討するために、線形回帰分析を行った。全ての成員の意思決定方略がランダム型を基準として用いた。意思決定方略の組み合わせの回帰係数は、全て統計的に有意であった。調整済み決定係数は0.86であった。ここで、個人の意思決定において、分離型は、他の意思決定方略に比べて低いRAを示すことが知られているため、分離型に着目して検討を行った。集団において分離型が多数派である場合、ランダム型が多数派である場合よりも、RAが低くなることが示された。このことは、分離型が必ずしも望ましくない属性に基づいて決定されるわけではないとしても、顕著である属性に注目すると、望ましくない社会的決定がなされる可能性があることを示唆している。選挙において、候補者の個人的な経歴といった、重要ではあるが政策にあまり関係のない属性に基づいて意思決定が行われることが当てはまる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究計画では、潜在意味解析モデルを用いた意思決定方略の定量的推定法を開発し、開発した手法を用いて推定された方略と意思決定の関係を定量的に検討し、消費者の意思決定支援に向けた処方的な利用方法の提案を目的とする。2020年度は、計算機シミュレーションを用いて、集団意思決定における意思決定結果の評価の検討を行った。潜在意味解析モデルの適用には至ってはいないものの、2019年度の検討で得られた結果と組み合わせることで、集団意思決定における実験データにおいても、用いられた意思決定方略の推定と決定結果の予測をすることが可能であると考えられる。意思決定支援のための有用な情報となることが期待される。よって、研究計画全体としては、おおむね計画通りの進捗であると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、昨年度までの分析で検討した評価指標と、シミュレーションデータと実験データの対応関係の検討方法を用いて分析を進める。具体的には、意思決定における情報処理データを対象に、意思決定決定方略の推定を行い、意思決定結果との関係の定量的評価を行う予定である。刺激の呈示様式による意思決定方略の変化についても検討を行う。分析結果から、決定方略の可視化表現の方法についても検討を行う。また、これまでの研究成果について、学会で発表・議論するとともに、論文化を進めていく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Does order of presentation affect the focus of comparison?: An empirical study of eye-tracking data2021

    • Author(s)
      Abe, S., Ideno, T., Okuse, M., Tamari, Y., Mitomi, Y., & Hachisu, K.
    • Journal Title

      横浜経営研究

      Volume: - Pages: -

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 最悪の意思決定に関する研究2020

    • Author(s)
      玉利祐樹
    • Organizer
      日本行動計量学会第48回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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