2021 Fiscal Year Research-status Report
潜在意味解析モデルと計算機シミュレーションによる決定方略の推定と意思決定支援
Project/Area Number |
19K13825
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
玉利 祐樹 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (60737360)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多属性意思決定 / 消費者行動 / 過程追跡法 / 意思決定方略 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、意思決定方略の定量的推定法を開発し、開発した手法を用いて推定された方略と意思決定の関係を定量的に検討し、消費者の意思決定支援に向けた処方的な利用方法の提案を目的とする。本研究では、(1)潜在意味解析モデルと計算機シミュレーションを用いて、言語プロトコル・描画・眼球運動データから、決定方略を推定し、決定方略と意思決定の関係を定量的に評価し、(2)合理的な意思決定や共同意思決定における合意形成に向けた、決定方略の構造を可視化する方法を提案することを計画している。 2021年度では、これまでに取得した意思決定過程における情報探索の時系列データ(情報モニタリング法、眼球運動データ)を用いて、深層学習を用いた意思決定方略の推定を行い、情報探索パターンに基づいて消費者の意思決定方略を推定する方法の開発を進めている。加えて、悪い意思決定を回避するという観点から、意思決定方略の計算機シミュレーションを用いて、さまざまな指標を用いて検討を行った。また、意思決定方略の分析の発展的検討として、集団意思決定における決定方略を評価を行った。集団を想定した多肢多属性状況下での意思決定方略の計算機シミュレーションを実施し、集団で用いられる意思決定方略の種類とそれらの組み合わせが集団意思決定に与える影響の検討を行い、国際学会での発表を行った。最後に、描画による意思決定プロセスの検討の発展的分析として、様々な対象へのイメージの測定方法を開発して国内学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算機シミュレーションによる決定方略の分析や、同定法の開発は順調に進展している。一方で、意思決定支援に向けた、多肢多属性意思決定課題を課す実験を、実施することができなかった。その理由は、新型コロナウィル蔓延の影響により、対面での実施を予定していた実験、調査を行うことが困難となったためである。そこで、研究費の延長申請を行わせていただき、2022年度に実施を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、(1)計算機シミュレーションよる意思決定方略の同定精度の向上、(2)決定方略の同定過程でえられる決定方略の構造に基づいて認知構造の可視化を行い、(3)刺激の呈示様式による決定方略の変化について検討を行う。また、これまでの研究成果について、学会で発表・議論するとともに、論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルス蔓延の影響を受け、予定していた実験・調査の実施が困難となったことと、研究打ち合わせ、学会参加のための旅費・交通費の使用ができなかったためである。次年度に本年度予定していた実験・調査を行うための実験・調査費、謝金、そして実験・調査結果の公表の ための、学会参加費・旅費、研究打ち合わせの費用に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)