2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K13827
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
田部 渓哉 城西大学, 経営学部, 准教授 (50706728)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネイティブ広告 / メディア / 消費者行動 / 記事体広告 |
Outline of Annual Research Achievements |
媒体間での効果を比較する前段階として、オンライン条件でのネイティブ広告に焦点を絞り、効果の発生メカニズムに光を当てた。オーディエンスは広告に接触する際、広告情報の送り手が説得意図を持っていることを意識する場合がある。この説得知識の働きを中心に、ネイティブ広告の効果が発生するフローを実証した。ネイティブ広告は通常の広告と異なり、記事と見做される確率が高く、情報源の認識の仕方によって説得知識が活性化するかどうかが影響を受ける。アンケート回答者476名のデータを用いて示されたフローは以下のとおりである。現前の情報を記事と見做して読み取るとその情報への関与が高まり、情報の送り手の説得意図を過少に評価する。その結果として、広告主への好意的態度やブランドへの好意的態度が形成され、広告主にとって望ましい結果が得られる。これまでの研究では、情報源を広告と見做すかどうかという点と説得知識の関係に重心が置かれてきたが、その他のコンテンツとして見做すことの意味を明らかにすることができた。研究成果は論文としてまとめ学会誌に投稿し、査読審査を経て22年度中に発行される。また広告効果のメディア比較研究について、実験調査を通じて仮説検証を行った先行研究を渉猟した。内容を繙き、以下の点を考察した。①広告効果の差を生む根源として仮定するメディア属性、②調査設計における広告刺激の統制、③広告効果の理論的背景、④注目する従属変数、調整変数、コントロール変数、⑤分析結果から導かれるインプリケーション。具体的成果はまだ公表できておらず整理を進めている途上にあるが、22年度中に論文としてまとめ、学会誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大の影響を受け、被験者を集めることが困難であったため。本研究の主題は媒体比較であり、異なる媒体条件で広告効果を測定する必要がある。この条件のひとつに印刷媒体条件がある。この、印刷媒体の配布を伴うアンケート調査の設計と実施が難しかった。緊急事態宣言は発令している、あるいは解除後間もないといった状況において対面によるアンケートを行うと、回答にバイアスが認められる可能性があったため、社会情勢の安定を俟つ必要があった。また子の出生に伴い育児による家事負担が増え、研究に充てられる絶対的な時間量が制限された点も、遅れの一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進行は全体的にやや遅れているものの、研究期間を1年延長する対応によって、当初の目的は達成できる見込みである。実験調査に使用する疑似広告の制作について業者との打ち合わせを進めており、同内容の広告をオンライン条件と印刷媒体条件で用意できる見込みである。またコロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限も解除されており、印刷媒体の接触を伴う量的調査の実施が可能となる見込みが高い。21年度中に主要研究のレビューを進めることができたので、その成果に基づいて22年度中に研究の鍵となる調査を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大防止対策の影響で、印刷媒体の配布を伴う大規模なアンケート調査が年度内に実施できなかった。したがって、調査会社に委託する調査の実施費用の支出がなかった。また当初計画には旅費などの計上があるが、社会情勢変化に伴いオンラインでの参加が可能となる事案が多く、支出がなかった。本年度は研究費の使用はなかったものの、すでに回収していたデータを基に、整備していた研究環境で研究を進めることで、①ネイティブ広告の効果が発生する基本的な仕組みはアンケート調査のデータを使って説明できた、②メディア比較を行う研究の渉猟、および調査設計や理論背景の整理が進んだ。次年度にはこうした知見を基盤とした量的調査が可能と考えている。実験で使う目的で疑似的な広告物(印刷媒体の広告とオンラインで閲覧できる広告)の制作を発注する計画であり、そこにも費用を掛ける予定である。
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Research Products
(1 results)