2022 Fiscal Year Research-status Report
VR技術を用いたマーケティング・コミュニケーションの効果と没入促進要素の解明
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19K13828
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
福田 怜生 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (80806422)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | VR / メタバース / マーケティング・コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、没入を促進する新たなマーケティング・コミュニケーションの媒体としてバーチャル・リアリティ(VR)に着目し、その効果と没入の促進要素を解明することを目的としている。 前年度に引き続き本年度も、新型コロナウィルスの影響により対面での実験を実施できなかったことから、まずはVR研究のレビューを進めた。レビューの結果、各機器の性能向上や仮想空間構築ソフトの普及などの技術的発展に伴い平面ディスプレイやスマートフォンがVR機器に含められて進められていることが示された。 このことから、本研究でも平面ディスプレイとスマートフォンもVR機器に含めて研究を進めることとした。これにより遠隔実験の実施が可能になったり、実験参加者自身のスマートフォンを機器とすることで新型コロナウィルスの影響を最小化しながら実験を実施できるようになった。 本年度は次に2種類のオンライン実験を実施した。1つ目のオンライン実験では、VRが消費者に及ぼす影響に着目した研究を行った。特にその影響として、VRにおける製品の希少性に着目し、それが当該製品のブランドに対する態度(ブランド態度)に及ぼす影響を明らかにした。その結果、VRにおける製品の希少性がブランド態度に影響する条件は希少性が高い製品を他者が着用している場合、重要な他者とつながっている(オンラインかつ社会的プレゼンスが高い)場合に生じることが示された。またこのような影響が生じるメカニズムとして好転期待(transformation expectations)が関わっていることが示された。 2つ目のオンライン実験では、没入促進要素として物語性に着目し、その影響について確認を行った。その結果、物語性が没入を促進することが示された。さらに消費者特性としての感情的なブランド・コミットメントが物語性や没入の効果を高めることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度前半ではVR機器をヘッドマウントディスプレイに限定して研究を進めており、実験実施ができなかったためである。後半では平面ディスプレイとスマートフォンをVR機器に含め、実験実施することで多少遅れを取り戻すことができたが、未だ進捗が遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に引き続きVRの効果に着目した実験を行いながらも、没入の効果や没入促進要素を解明するための実験も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度前半における研究では、VR機器をヘッドマウントディスプレイに限定して進めており、新型コロナウィルスの影響により実験実施ができなかった。次年度は、ヘッドマウントディスプレイだけでなく、平面ディスプレイやスマートフォンもVR機器に含めながら、本年度に引き続きVRの効果に着目した実験を行いながらも、没入の効果や没入促進要素を解明するための実験も進めていく予定である。このような実験を行うにあたり、次年度の費用の大部分は、調査参加者への報酬に当てる予定である。
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Research Products
(5 results)