2021 Fiscal Year Research-status Report
店舗内における選択間の影響に着目した消費者購買意思決定の分析
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19K13835
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
赤松 直樹 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (40758801)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 正当化 / 快楽目標 / 自己制御 / 逐次選択 / 衝動購買 |
Outline of Annual Research Achievements |
選択場面において、消費者は自己制御に関わる目標(自己制御目標)と快楽追求に関わる目標(快楽目標)の間でコンフリクトを知覚する場合が珍しくない。このような場合、消費者は、複数の選択場面において、例えば、ある選択場面では自己制御目標に対応しながら選択を行うが、その後の選択場面では快楽目標に対応しながら選択を行うといった具合に、各目標にバランスよく対応することが指摘されている。21年度に取組み、かつ、論文として出版された研究では、目標のバランス傾向ではなく、目標の強化傾向(逐次選択場面において自己制御目標あるいは快楽目標のどちらかに対応する選択を連続して実施すること)が生じる条件を明らかにした。具体的には、事前の快楽選択(快楽型商品の衝動購買)の実施が、その後の選択場面において快楽選択を促進させる条件として、その後の選択を実施することで事前選択から得られる価値をさらに高めることができると消費者が知覚する場合であることを示した。この傾向は、消費者の正当化メカニズムによって説明することができ、この点についても実験データから確認した。("When a prior indulgent choice promotes a subsequent indulgent choice: The justification mechanism" Psychology & Marketing, 39(4), 797-808.) この研究により、逐次選択の影響が生じる条件とその心理的メカニズムに関する研究知見を得ることができ、「研究の目的」の一つである、逐次選択の影響を考慮した購買意思決定プロセスの構築に向けて重要な分析視点を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前選択の結果がその後の選択に影響を及ぼす条件や心理的メカニズムを解明するため、当初の予定通り、既存研究レビュー、そして、アンケートベースでの実験を実施した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定していたフィールド実験については行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の影響により、22年度においてもフィールド実験の実現可能性は不透明である。そのため、フィールド実験の代替手段として学生を対象とした実験の実施と実購買データの購入を予定している。既存研究のレビューを通じて基礎的な仮説を設定し、それらを検証するために、実験と実購買データの分析を実施する。ここでの研究成果については論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、21年度予定していたフィールド実験を実施することができなかったためである。22年度においてもフィールド実験の実現可能性は不透明であるため、フィールド実験の代替手段として学生を対象とした実験の実施と実購買データの購入を予定している。
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Research Products
(1 results)