2021 Fiscal Year Research-status Report
自伝的記憶の解析による経験価値の測定尺度の開発及び有効性の実証
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19K13843
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| Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
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Principal Investigator |
猪股 健太郎 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (30750830)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 自伝的記憶 / 経験価値 / 測定尺度 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，製品やサービスの物質的・金銭的価値ではなく，その使用や保有といった経験が有する価値である経験価値を評価するための尺度を構築し，その有効 性に関して検討を行うことを目的とする。その際，価値の高い経験を，個人にとって重要な意味をもつ自伝的記憶として対象化し，心理学における記憶研究の手 法を応用することで，その性質や役割も含めて検討を行うこととする。これらを達成するために，2021年度は以下の研究活動を行った。
まず，経験価値の高い記憶に関する記憶の調査結果のうち，記憶の特性を測定するMCQ日本語版や，価格，満足度などの変数について，相関関係を検討した。その結果，製品やサービスの満足度と価格の間に有意な相関関係はみられなかった。このことから，高い経験価値は，金銭的価値とは独立している可能性が示唆された。また，より満足度が高かった経験は，経験の記憶における奇異性，空間的な情報の明確性，経験時の感情の強さ，時期の記憶の明確性，経験の前後の出来事の記憶の詳細さ，経験の印象の良さと正の相関関係を示した。これらのことから，より高い価値の経験の記憶は，そうでない経験の記憶よりも，周辺的な情報も含めた想起が可能であり，印象が良いことが示唆された。さらに，高齢になるほど，高い経験価値の記憶をよりポジティブに評価する傾向も観察された。このことは，経験価値の想起にも，高齢になるにしたがってポジティブな情報は多く想起されるポジティブ優位性効果がみられることを示唆した。これらの研究成果の一部は，国内学会で報告された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最低限の調査・分析・報告は実施できたものの，前年度に，研究代表者の所属変更にともなう研究体制の構築と，COVID-19への対応に時間を要した影響もあり，当初の計画年度内に研究を全て完了することができず，延長を余儀なくされたため，遅れていると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，既に抽象化されている高い経験価値に関する記述内容に基づいて尺度構築を行い，妥当性の検証も含めた調査的検討を行う。その際，今年度の成果を考慮し，壮年群において，尺度得点がより高くなるかどうかもあわせて検討することを計画している。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由として，代表者の所属変更とCOVID-19の影響による遅滞の解消ができなかったことで，調査会社への委託費用が一部未使用であることが挙げられる。今後は，構築した尺度の妥当性も含めた調査を，調査会社に委託して実施する計画をしており，次年度使用額はその調査費用と結果の解析のための端末の購入に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)
