2019 Fiscal Year Research-status Report

Study on design and use of sustaianability management control systems

Research Project

Project/Area Number	19K13858
Research Institution	Kanto Gakuen University
Principal Investigator	金宰弘関東学園大学, 経済学部, 准教授 (00803769)
Project Period (FY)	2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords	サステナビリティ(Sustainability) / マネジメント・コントロール・システム(MCS) / 企業の社会的責任(CSR)
Outline of Annual Research Achievements	本研究では，CSR戦略の遂行を成功させるSMCSの設計と運用ができる枠組みを提示することを目的とし，以下の3つの研究課題，①CSR戦略の遂行におけるコンフリクトを管理するためのSMCSの設計と運用，②主事業戦略を遂行するためのMCSに連携したSMCSの設計と運用，③組織間関係におけるSMCSの設計と運用を総合的に分析することを計画している。2019年度は，上記の3つの研究課題のうち研究課題①と②を分析するために，文献調査を広範に実施し，次年度以降に実施するインタビュー調査と質問票調査のための分析フレームワークを構築した。まず，研究課題①「CSR戦略の遂行におけるコンフリクトを管理するためのSMCSの設計と運用」については，コンフリクトの定義および概念化を行った先行研究をレビューして，企業がCSR戦略を遂行する際に発生するコンフリクトの類型化を行い，それぞれのコンフリクトの管理においてSMCSの役割が分析できるフレームワークを構築した。次に，研究課題②「主事業戦略を遂行するためのMCSに連携したSMCSの設計と運用」については，管理会計分野のMCSとSMCSを研究対象にした先行研究をレビューして，MCSとSMCSの統合形態を類型化し，それぞれの統合形態が企業に与える影響が分析できるフレームワークを構築した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 研究初年度は文献レビューを中心に，次年以降に実施するインタビュー調査と質問票調査のための分析フレームワークが構築できた。また，国内外学会およびCSR研究会などに参加して，管理会計分野の研究者や実務者から，CSR戦略の遂行におけるコンフリクトの管理や，既存のMCSとSMCSの統合など，本研究内容と分析フレームワークについて意見をいただいた。2019年度に実施する予定であった研究課題①「CSR戦略の遂行におけるコンフリクトを管理するためのSMCSの設計と運用」についてのインタビュー調査は少し遅れているが，2020年度に分析する予定であった研究課題②「主事業戦略を遂行するためのMCSに連携したSMCSの設計と運用」についての文献レビューと分析モデルの構築ができたため，本研究は順調に進展していると評価できる。
Strategy for Future Research Activity	2019年度に行った文献調査に基づき，2020年度は研究課題①と②を分析するために，インタビュー調査と質問票調査を実施する予定である。まず，研究課題①「CSR戦略の遂行におけるコンフリクトを管理するためのSMCSの設計と運用」については，東洋経済新報社の『2020年版CSR企業総覧』に掲載されている日本企業20社を対象とする「インタビュー調査」を実施して，CSR戦略を遂行している企業はどのようなコンフリクトを認識し，それらのコンフリクトをどのように管理しているのかを，SMCSの観点から分析する予定である。次に，研究課題②「主事業戦略を遂行するためのMCSに連携したSMCSの設計と運用」については，東洋経済新報社の『2020年版CSR企業総覧』に掲載されている約1,500社の日本企業を対象にする「大規模質問票調査」を実施して，MCSとSMCSの統合形態が企業に与える影響を分析する予定である。