2024 Fiscal Year Annual Research Report
自治体における新たな業績マネジメントシステムー統合報告と行政評価の融合ー
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19K13869
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| Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
酒井 大策 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (80783761)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 行政評価 / 統合報告 / 行政経営 / 業績評価 / 公会計 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、統合報告と行政評価を融合させることによって、新たな自治体の業績マネジメントシステムを構築できるという仮説を検証することを目的としている。 本年度は、新型コロナウィルスの影響でこれまで実施することができなかった、海外の研究者・実務家へのインタビューを目的とした海外調査を実施した。調査研究対象として英国を選択した。英国を選択した理由は、NPMと称される行政改革を強く推し進め、Best Value やCPAなど地方自治体の業績評価を強く推し進めた経緯を有するためである。わが国の業績評価システムである行政評価は、NPMの影響を強く受けており、当時の取り組みおよびその後についての知見を得るため調査を実施した。具体的には、英国勅許公共財務会計協会、エッセクス大学、バーミンガム大学を訪問し、英国勅許公共財務会計協会では実務を担当するチーフ・エコノミスト、エッセクス大学、バーミンガム大学では行政経営を研究対象とする研究者にインタビューを実施した。 英国調査後は、これまでの国内地方自治体への調査、文献渉猟、英国での調査を踏まえて、研究成果の取りまとめを行った。わが国地方自治体の業績評価の課題は、NPMに影響を受けた経済性と効率性を重視するものとなっており、最小単位である事務事業評価を中心とする業績評価となっていることがあげられる。業績評価を機能させるためには、包括的に評価するシステムとして、NPM的思考から脱却した、より広い価値を評価基準とするシステムを機能させる必要であると指摘でき、このシステムとして統合報告が機能するという示唆を得た。一方で、組織に対する評価として経済性と効率性を評価させる必要があり、行政評価のすべてを否定することはできないと考えられる。よって、行政評価と統合報告を融合したシステムが必要であることを結論とし、成果として論文発表・学会発表を行った。
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