2021 Fiscal Year Research-status Report
農山村の持続可能な居住環境の構築に向けた産業・交通のテクノロジーシステムの解明
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19K13883
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
芦田 裕介 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (30771951)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 村落研究 / インフラ研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度もCOVID-19の影響により、フィールドワークによる調査が行えなかったため、引き続き収集可能な文献や文書資料を用いた研究をおこなった。 第1に、日本村落研究に関する文献の検討を通じて、日本の村落研究の理論・方法論が抱える課題と今後の展開にとって重要となる論点を整理した。 第2に、フィールドワークを予定していた農山村地域における、交通や農林業に関連する統計や文献資料などのデータを収集・整理し、その歴史的変遷や問題点を整理した。 第3に、国内外の人文・社会科学分野におけるインフラ研究の検討をおこない、日本の農山村のテクノロジーシステムに関する問題に関しての適用可能性について検討した。農山村地域の住民は日常生活において、巨大な技術システムに依存せざるをえない状況がある。普段は不可視化されている技術システムをめぐる実践や政治性に焦点をあてることで、テクノロジーシステムの課題と可能性を考察することが可能になる。インフラ農林業のシステムについては、最新技術の導入が必ずしも農林業の発展にはつながるとはいえない。交通システムについては、自動車の普及が生活の利便性を向上させる一方で、地域の産業構造や人の移動に変化を促し、従来の農山村の自然環境や地域活動の停滞を招く場合がある。こうした視点から、システムをめぐって不可視化される問題を明らかにし、持続可能なシステムの構築のために必要なアクターのあり方を考えていくことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響により、予定していたフィールドワークが実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き収集可能な文献や文書資料を用いた研究を進めつつ、感染症拡大の状況に配慮しながら、可能な範囲でフィールドワークによる調査を実施していく。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により現地調査が実施できなかったこと、予定されていた国際学会が延期になったことなどにより、次年度使用額が生じた。 今後は、収集可能な文献資料の収集・整理をおこないつつ、感染症の状況を考慮しつつ、可能な範囲でフィールドワークを実施することで、予算を使用していく予定である。
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