2019 Fiscal Year Research-status Report
大学卒業生の職業移動に関するライフコース研究―能力と制度に注目して―
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19K13905
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉岡 洋介 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90733775)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パネル調査 / 就職活動 / 大学生 / インターネット調査 / 能力 / 制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年10月に、2021年卒業予定の大学3年生に対して「大学生調査」を実施した(インターネット・パネル調査の第1波調査)。データには、大学名、コミュニケーション能力、大学生活に関する情報などが含まれる。
このコーホートは、日本経済団体連合会が長年の就職活動のガイドラインを廃止したもとで、就職活動を行うはじめのコーホートである。そして事前に予期していたことではないが、大規模な感染症に伴い、従来の就職活動方法の変更を強いられる歴史的なコーホートでもある。
全国の大学3年生約500名のデータであるが、ライフコース研究で重要な個人のライフコース(本研究では学校から職業への移行、職業キャリア)に対する制度的影響、歴史的影響を検討するうえで貴重なデータが得られたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、リサーチ会社にあらかじめ調査協力モニターとして登録している個人(2021年卒業予定の大学3年生)を対象に「大学生調査」(インターネット・パネル調査の第1波調査)を実施することができた。
全国の大学3年生という限定的な対象であるが、性別・地域で割り付けを行い、約500名から回答を得ることができた。制度変更期(そして、事前に予期していなかったことだが、大規模な感染症という歴史的混乱期)に就職活動を行うコーホートについて、就職活動前の能力や詳細な大学生活の情報が含まれる貴重なデータになったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画のとおり、2020年度は、秋に、2018年卒業コーホートに対して「就職3年目調査」(インターネット・パネル調査の第3波調査)を行う。これにより、制度変動期(2016年卒業コーホート)と制度定着期(2018年卒業コーホート)の比較が可能となり、制度が大学卒業生の職業移動に及ぼす影響が分析可能となる。
さらに2021年卒業コーホートに対し、2021年春に「就職結果調査」(インターネット・パネル調査の第2波調査)を実施する予定である。
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