2019 Fiscal Year Research-status Report
20世紀前半の自然科学方法論における《帰属=対応づけ》概念の社会科学に対する意義
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19K13912
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅村 麦生 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD) (70758557)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 帰属=対応づけ(Zuordnung) / 帰属(attribution) / 帰属=帰責(Zurechnung) / 20世紀前半の自然科学方法論と社会科学方法論 / 社会学史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「20世紀前半の自然科学方法論における《帰属=対応づけ》概念の社会科学に対する意義」の1年度目である本年度は、社会科学における帰属概念の発展と展開を見ていく前提として、まず主にドイツ語圏の初期社会学史およびその中でのオーストリアの初期社会学史について、資料収集と文献の検討を行った。文献の検討に関しては、特にシュテファン・メビウス/アンドレアス・プローダー編の『ドイツ語圏の社会学の歴史要覧』(Handbuch Geschichte der deutschsprachigen Soziologie, Bd.1-3)所収の諸論考の検討から始めている。また、グラーツ大学附属社会科学図書館の訪問と、グラーツ大学社会学科附属オーストリア社会学史文庫の資料閲覧を行った。以上と並行して、日本の社会学史研究におけるオーストリア社会学史に関する資料収集と文献の検討も行った。 現時点での研究成果として、①オーストリア初期社会学史における人文・社会科学および自然科学との間での学際的な展開と、②オーストリア初期社会学における社会心理学の貢献の大きさ、また③移住・亡命社会(科)学者たちによるその研究手法と知見の伝播、について確認することができた。また日本の社会学史におけるオーストリア社会学史に関しては、今日の日本の社会学史においてオーストリア社会学史が独立で論じられることは少なくなっているが、1950年代までの同時代的な受容について、確認することができた。 加えて、本年度はドイツの社会学専門誌に関する学史研究の論文翻訳を刊行し、次に上記文献所収のオーストリア初期社会学史に関する論文翻訳の企画を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フリッツ・ハイダーを含む社会心理学と、オーストリア初期社会学史に関する資料収集と文献の検討について、一程度進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、1年度目より進めているオーストリア初期社会学史に関する論文翻訳の企画を実行する。それに並行して、20世紀前半の自然科学方法論における帰属=対応づけ概念と、社会科学方法論における帰属=帰責概念の展開について検討を進める。
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