2019 Fiscal Year Research-status Report
Economic and Human Rights Evaluation of Health Care Reform Impact on Foreigners in Japan
Project/Area Number |
19K13925
|
Research Institution | Shoin University |
Principal Investigator |
松浦 広明 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60751914)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 医療制度 / 外国人 / 移民 / 人権 / 健康と人権 / 外国人技能実習生 / 性的人身売買 / 災害レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、外国人に焦点をあてた、医療制度改革の人権評価を行うために必要なデータ収集と共に、移民と医療需要に関するより一般的な分析を行った。期待される成果としては、医療体制の整備を含む災害レジリエンス力が日本人と外国人の居住行動に与える影響を分析した論文が、”Level of Disaster Resilience and Migration Patterns in Japanese and Foreign Residents”として、性的人身売買に関する実証研究のレビューが“Empirical studies of sex trafficking”として、それぞれSpringerから刊行される本に掲載される予定である(Online Versionは既に閲覧可能)。また、外国人技能実習制度と失踪行動に関する分析の初稿を仕上げる事が出来た。また、1月からは、新型コロナウィルスとそれに伴う渡航規制・移動制限の影響により、移民や観光客の人権問題に取り組む事が急務となり、渡航制限と感染拡大、感染拡大期における移民と観光客の役割に関する論文を書き、それぞれ、投稿中である。また、2016,2017、2018,2019年度に引き続き、今年度も9月にInternational Conference on Sustainable Developmentにて"Economics & Demography of Natural Disasters"のセッションをOrganizeする予定であるが、今回は、これを"Economics & Demography of Natural Disasters and Disease Outbreak"とし、新型コロナウィルスや様々な感染症を新たに対象とし、世界中から多くの投稿を既に頂いた(現在審査中)。これら一連の研究は、外国人の医療需要が、日本人のそれと異なると言うだけでなく、それぞれの環境に応じて非常に多様であり、彼らの健康を守るために特別な保護が必要な事を示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の主要な部分である、外国人に焦点をあてた医療制度改革の人権評価に関しては、データ収集が思うように進まず、分析まで進める事が出来なかった一方で、移民と健康に関するより一般的な研究に関しては、予想以上の成果を上げた。新型コロナウィルスの流行は、想定外であり、研究活動の妨げにもなったが、移民と健康の分野において、次の10年主要なトピックとなる事は間違いないので、この分野でいくつか論文を仕上げる事ができた事には満足している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、社会的ニーズの高い新型コロナウィルスと外国人(移民・観光客を含む)の研究を行いながら、引き続き、外国人に焦点をあてた医療制度改革の人権評価の研究を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
主要部分の分析までたどり着かなかったため、今年度、その部分の支出を計上していないため。データが集まり次第、分析に必要な支出を行う。
|