2021 Fiscal Year Research-status Report
Economic and Human Rights Evaluation of Health Care Reform Impact on Foreigners in Japan
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19K13925
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Research Institution | Shoin University |
Principal Investigator |
松浦 広明 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60751914)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 移民 / 観光客 / コロナ禍 / 人口動態 / 医療制度 / ウクライナ / ジェンダー / 人権 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も、引き続き、コロナ禍にあり、国際移動と医療制度に関する研究を進めるとともに、直接、成果を社会に還元する機会に恵まれた。その知見の一旦は、昨年12月に、国連世界観光機関の総会で採択された、旅行者保護に関する国際規定(International Code for the Protection of Tourists)にも反映されている。同規定は、世界中で感染症の蔓延する中、海外旅行者が安心して旅行できる環境を整え、国際観光への観光客の信頼を取り戻すために策定されたものである。
著作物としては、コロナ禍におけるワクチンパスポートに関する倫理指針についての論稿がBMJ Global Health誌に、ロシアのウクライナ侵攻によるウクライナの将来人口への影響の論稿がBiodemography and Social Biology誌にそれぞれ掲載された。また、現代QOL研究に、緊急事態における迅速評価プロセスの発表の抄録が掲載された。また、労働衛生・安全分野におけるジェンダー主流化に関して”Gender and the Sustainable Development Goals”に分担執筆した。
また、マックスプランク人口学研究所主催の「パンデミックの赤ちゃん?」カンファレンスにおいて、日本の新型コロナウィルスおよびそれに伴う行動制限の妊娠届出数への影響について、国際人口学会において、観光客および移民の新型コロナウィルス到着のタイミングについて、人口学研究会において、SDGs時代における人口データに基づく人権研究についてそれぞれ発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
40代になり、大学の業務だけでなく、専門分野の発展への責任も重くなり、現在、国際誌1誌の編集長と7誌の編集委員を兼任しているため、研究時間も減少しているが、それでも、研究者としての自覚を持ち、一日少しづつでも研究を進めているので、成果は着実に積み重ねられていると思う。ただ、コロナ禍で、国際移動と医療を研究する研究者への社会的要請から、元の計画書にあった住民基本台帳に登録されている外国人よりも、より定義の広い短期観光客を含めた渡航者の分析をせざるを得ない状況が続いているため、「やや遅れている」とするのが妥当なように思える。ただ、国際法上は、移民と観光客に関して、一義的な定義が存在するわけではなく、明確な区別があるわけではないので、広い意味で順調に成果を上げられていると言えるのかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、コロナ禍で、国際移動と医療制度を巡る状況は混沌としており、一研究者として出来ることも多いので、国際機関等と協力しながら、社会貢献との間でバランスをとりつつ、今年度も研究を続けていくつもりである。渡航規制および感染予防の観点から、国際会議での発表が減っているので、頑張って増やしていきたいと思う。また、時間はかかっても、本研究のメインの成果は、トップジャーナルに載せられるよう頑張りたいと思う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、渡航費等の支出が一部執行できずに残っている。
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