2019 Fiscal Year Research-status Report
An Empirical Study on a Migration of Young Highly Skilled in Asia and on Promoting or Inhibiting Factors of Entering to Labor Market
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19K13926
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
松下 奈美子 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (00743642)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若年高度人材 / 国際移動 / 中国 / 韓国 / 留学生 / 海外就労 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究実績は以下の通りである。2000年代の韓国と中国の若年求職者の動向について公表されている統計や資料を元に考察を行った。韓国については、2010年に調査を行っているため比較分析を行い、当時と状況がどのように変化しているのか、制度や政策の動向について調査した。2019年7月に予備調査として韓国のソウル、釜山、済州に行き、釜山の産業人力公団を訪問した。韓国の大卒労働市場の需給バランスは依然として不均衡であり、それが海外就労への一つのプッシュ要因であることがわかった。 中国については、大卒人材の国内就職と海外就職の動向について2019年12月から2020年1月にかけて中国現地で調査した。中国は韓国の状況と異なり、中国国内の労働市場は2000年代よりも2010年代の方が大卒人材にとって求人倍率が高く、また中国企業の成長にともない、より良い条件での求人が増えているため、海外での就労が中国の大卒人材にとって魅力的なインセンティブとならないケースが出ていることが明らかになった。 また、中国の経済発展にともない、国境を接するロシアから労働者が流入しているため、ロシアへの現地調査も行った。ロシアの経済的困窮層からすると、中国は経済発展した国であり、海外就労先となっていることがわかった。 中国の大学入試制度が中国の若年層の移動に影響があるのか、聞き取り調査を行い、留学や就職などで中国から日本へ移動する若年層が1990年代以前と2000年代以降で大きく異なっていることも明らかとなった。私費留学生の増加にともない、留学の目的が変わってきていること、留学先を自由に選べるようになったため、より本人の希望に即した移動になっていると言える。中国から日本へ移動する場合、韓国と違う点は送り出し団体や送り出し制度を経由することなく移動している点が特徴である。次年度以降はこの点をより明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、資料収集と文献調査をもとに、予備調査をロシア、中国、韓国で行った。研究会での途中経過報告を行い、研究を進めてきた。中国人留学生の協力もあり、資料収集や文献調査の進捗は当初の予定通りであり、おおむね順調に進展している。 海外調査については、2019年度末に予定していた海外調査が実行できなかった以外は問題なく進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスによる影響がいつまで、どの程度の規模になるのか、現時点では不明のため、2020年度に予定していた中国、韓国での海外調査は実行可能になってから行うことにする。 日本国内での移動も制限されているため、聞き取り調査をオンライン調査などに切り替えてできる限りフィージビリティを確保しつつ、当初の研究計画を遂行する。
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Causes of Carryover |
2020年2月に中国の北京で研究会に出席する予定であったが、新型コロナ肺炎の世界的流行により、日本政府および外務省から中国への渡航制限が発表され、海外出張を取りやめたため、出張旅費として当初計上していた予算を使うことができなかった。 2020年度は、海外調査計画を見直し、渡航制限が解除されれば、前回行けなかった中国での研究会も2020年度に実施する予定である。
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Research Products
(1 results)