2022 Fiscal Year Annual Research Report
Practice and effectiveness of the Manchester Homelessness Charter and associated pledge systems
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19K13935
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河西 奈緒 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員 (20817522)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホームレス / 憲章 / プレッジ / マンチェスター / コ・プロダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、英国マンチェスター市のホームレス憲章とプレッジシステムを核とした問題解決の取り組みについて、公開されている345件のプレッジの内容、すなわち団体や個人が本市のホームレス問題解決に貢献する具体案の記述を分析した。団体によるプレッジ142件については、団体名から法人格や政府ウェブサイトにおける登録情報を特定し、団体種別(企業、非営利団体、公共機関、教育機関等)ごとのプレッジ件数と内容の特徴、なかでも件数の多い企業と非営利団体については業種別の件数と内容の特徴を把握した。全体的な傾向として、ホームレス支援団体への寄付や従業員によるボランティア活動への参加といった団体の持つリソースを提供する内容が多いが、リクルート企業による就職活動の研修、新聞社によるホームレス憲章の広報など、団体の専門性を活かした新たな貢献の方法が提案されている点に特徴が見られた。 また、プレッジの具体的な実施事例について、インターネットでの資料調査を試みた。複数の団体についてプレッジの内容と関連するとみられる活動記録を収集したが、プレッジとの直接的な因果関係が特定できず、対象団体に聞き取りを行うなどの追加調査は年度内には行えなかった。 最後に、研究成果の公表について、マンチェスター市における全市的な取り組みを、居住支援関連のシンポジウムにて一部紹介した。また、東京圏の支援団体の方々とインフォーマルな協議の機会を計3回持ち、企業や教育機関、他分野の非営利団体の参画可能性について意見交換を行った。ここでは、居住支援によって間接的に利益を得る不動産業者を巻き込んだ事業モデル等の意見が得られた。これら日本における反応や意見は、3月に行われたホームレスネスの国際学会において、マンチェスターの関係者にフィードバックを行っている。
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