2022 Fiscal Year Research-status Report
Research related to the information alignment for the comprehensive disaster support that seamlessly supports from usual condition, disaster occurrence to the resurrection.
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19K13949
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
八木 裕子 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (60533817)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 災害 / 生活 / ICT / 包括的災害支援 / DCAT / DWAT / 災害福祉 / 災害介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍において、当初の計画どおりにいってはいないが、延長申請が認められたことによって、専門職と被災者を繋ぐプラットフォーム(アプリケーションの開発に向けての意見交換会等を実施した。 前年度は、医療保健分野から平時から発災時、そしてまた平時に被災者の生活を戻していくために必要とされる情報について、2021年11月から12月まで3回に渡り、意見交換会を実施した。それを受けて、本年度は、ICSを用いて、DMATやDHEAT等の医療系災害時支援チームとの協働へ向けた医療、保健、福祉、介護分野等に必要とされる情報項目の抽出に向けて、専門職と被災者を繋ぐプラットフォーム(アプリケーション)の開発に向けての意見交換会と称し、2022年11月から1月まで3回に渡り実施した。 必要となる情報として、・被災者をとりまく環境(ハード・ソフト面)の情報・被災者を支援する上で必要となる物の情報・食形態情報、アレルギー情報・排泄情報・支援者の持つ専門性の情報などが挙げられたが、被災者、フェーズによって刻々と変化するニーズに対応するため、必要となる情報も異なる、例えば災害直後は属人的な要素は少ないため、支援者の体力、技術、知識、人数などのシンプルな情報で効率よく支援配置を行ったり、一方で、民生委員や自治会長など、平時から個別の関係性を持っていた人の動きは異なることが示唆された。また個人の情報だけでなく、環境の情報も必要(本人と環境の相互作用)とされた(環境の情報とは、段差の有無などのハード面だけでなく、周りに気にかけてくれる人がいる等かなどのソフト面も含む情報)。 今後、「災害時の現場で役立つツールの開発」という形で「人の命を救い、守るもの」として、アプリケーションへの実装に向けて、項目を整理しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の中心的課題としての意見交換会は、ほぼ終了している。このまま、データを分析して、アプリケーションに実装する項目を抽出する予定である。また、コロナ禍において、熊本県人吉市の水害の現場にもうかがったことで、本研究の必要性を改めて感じた次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、健康からだコンパスLifeRoute(ライフルート)への「災害」項目を実装していくことと、埼玉県幸手市、熊本県人吉市等で社会実証を行なう予定である。最終的には、使用マニュアル等も作成して、災害時はもちろんのこと、平時でも役立つツールの開発を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額に関しては、2019年度末から世界的に発生した新型コロナウイルス感染症により、出張や学会発表が延期ないし、中止され、旅費や参加費として、予算を次年度に繰り越す形となった。したがって、次年度末までに未実施分の出張旅費等は使用していく予定である。
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