2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13950
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
後藤 広史 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (60553782)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活困窮者 / 就労自立 / 継続要因 / 阻害要因 / ホームレス自立支援センター |
Outline of Annual Research Achievements |
生活困窮者の就労による自立をどのように支援するかということを検討するにあたっては、どれくらいの人々が就労によって自立できたかという瞬間値を明らかにするだけでなく、その後、その状態がどれくらい継続できているか、継続者とそうでない者を分ける要因は何か、という視点をもって検討することが重要である。 そのため、当該年度はホームレス自立支援センターを就労自立した利用者に対して、その後の就労状況、生活状況および地域移動という観点からアンケート調査を実施する予定であった。 しかしながら、当該年度はコロナ禍ということもあり、現地でのアンケート調査の打ち合わせや関係者との実務的な協議が難航したため、予定していたアンケート調査自体の実施も次年度へ先送りすることにした。なお、直近でオンラインによる関係部局との会議を行い、調整をすることができたため、次年度については確実にアンケート調査を実施できる目途がついている 一方で、調査協力先から、コロナ禍によって、ホームレス自立支援センターの利用者の属性に変化が生じているという報告があがってきた。これを受け、コロナ禍によってどのような人々が居所を失いホームレス状態へと至り、自立支援センターへ入所しているのかを明らかにすることは、今後の生活困窮者対策全般において貴重な知見になると考え、昨年度で一区切りとする予定であった、自立支援センター利用者のデータの蓄積を当該年度も継続して実施することにした。このデータを用いた分析は次年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、予定していた現地での打ち合わせや実務的な調整ができなかったため、「やや遅れている」とした。「遅れている」としなかったのは、直近でオンラインによる会議を行い、関係部局との調整を行うことができたため、次年度に確実に調査が実施できる目途がついていることによる。また、自立支援センターの利用者のデータの蓄積が継続して行えたこともそのように判断した理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した通り、当該年度に実施予定であったアンケート調査を確実に行う。またコロナ禍によって自立支援センターの利用者の属性に変化が生じていることを踏まえ、どのような人々が今回の事態によって、ホームレス状態に至っているのかを明らかにすることを新たな研究課題としたい。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた理由は、コロナ禍の影響により、5回程度予定していた現地(大阪)での打ち合わせ・調査が実施できなかったことが主な理由である。 次年度は、コロナ禍が収束し次第、延期していた現地でのアンケート調査の実施・入力・分析作業を行うとともに(5回程度訪問を予定)、コロナ禍でどのような人々がホームレス状態に至っているのかを明らかにするために、引き続きホームレス自立支援センターの入所者のデータの蓄積を行う。両者の入力作業は引き続きアルバイトを雇って行う予定である。
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