2020 Fiscal Year Research-status Report
長時間介助サービスを利用する障害者の「生きづらさ」と介助関係に関する研究
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19K13952
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
金 在根 目白大学, 人間学部, 専任講師 (10780504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重度障害者 / 介助者 / 介助派遣事業者 / 介助関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、長時間介助サービスを要する障害者の介助関係をめぐる実態と課題の検討を目的として、生活の主体である障害者と援助の主体である介助者、そして、サービス調整の主体である事業者を研究の対象にしている。 2019年度には障害者のアンケート調査票を作成していた。2020年度には介助者、事業者のアンケート調査票を作成し、2019年度に仮完成した障害者のアンケート調査票を含めた3つの調査票の検証作業を行った。具体的には、介助関係研究会を通して障害当事者及び事業所の職員と一緒に介助者と事業者を対象にした調査項目の仮完成を行った(2020年9月)。その後、仮完成した3つの調査票の検証のために次の作業を行った。1つは、他大学の量的調査を専門とする研究者に助言を受け、修正作業を行った(2020年10月)。2つは、自分の所属している研究会(韓日社会福祉研究会)にアンケート調査票を中心にした研究発表を行い、複数の社会福祉分野の研究者から助言及び指摘を受けた(2020年12月19日)。3つは、調査実施の協力を求めている外部リサーチセンター(サーベイリサーチセンター)の担当者から調査票の形式に関する助言を受けた(2021年2月)。以上の検証作業を通して調査票を完成することができた。 さらに、2020年度には、外部リサーチセンターの担当者と介助関係研究会の一部のメンバーと一緒に協議を行い、コロナウィルス感染対策と作業の簡潔化のために、アンケート調査の実施方法を、グーグルフォームを活用したオンライン方式のアンケート調査票のみとし、この方式で作成が難しい人のみ個別的に対応することにした。その後、具体的な調査実施の計画と役割分担について調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度には、3つの対象者に対するアンケート調査票を完成し、調査実施のための具体的な方法を確定することができた。調査実施の準備において特に注意したのは、調査方法の妥当性と、謝礼に対する調査対象者の匿名性、調査に応じる全国の自立生活センターの担当職員の負担の軽減であった。外部リサーチセンターと介助関係研究会の一部のメンバーに協力を得て、複数の協議を経て、既述の3つの課題について対策を講じることができた。 調査の実施においては予定より遅れていると言えるが、調査方法をオンライン方式によるアンケート調査票のみに変更したことと、外部リサーチセンターの協力を得て研究対象者に調査に対する謝礼を支払うことこしたため、アンケート調査票の回収率と迅速な集計が期待でき、2021年度中には研究成果を完成する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年5月から、全国の自立生活センターに、郵送とメールによる調査依頼を行い、オンライン方式での調査票を配布する計画である。その後、6~7月にかけて回収を行い、9月までにはデータの集計を完成する計画である。その後、10月より研究結果をまとめ、研究協力団体及び学会に発表をする計画である。最終的には学術論文の投稿を計画している。
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Causes of Carryover |
2021年度には外部リサーチセンターの協力を得て調査を実施することから、外部委託金と調査の実施による郵送費及び研究対象者に対する謝礼の費用が発生する予定である。
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