2019 Fiscal Year Research-status Report
里親の養育困難感に対する里子のアタッチメントに焦点をあてた介入研究
Project/Area Number |
19K13956
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Research Institution | Shizuoka University of Welfare |
Principal Investigator |
上野 永子 静岡福祉大学, 子ども学部, 准教授 (30716668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 里親支援 / アタッチメント / 養育困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の前半は、研究計画書のとおり、里親子のアタッチメントおよび里親子支援に関する文献調査を行い、アタッチメント研究に熟練した研究者に助言を得ながら、介入効果の評価方法について検討を行った。結果、当初予定していた質問紙調査とインタビュー調査に加えて、里親子の相互作用を映像データとして得ることや介入1回目と最終回において面接内容の録音データを得ることなどを研究計画に加えた。 また、本研究に協力いただくフォスタリング機関および、児童相談所の職員に、研究計画の説明および、協力の依頼を行い、協力体制構築のための連絡調整を随時、行った。 2019年度の後半は、前半に定めた研究計画書を本学の倫理審査委員会に提出し、倫理審査を受け、求めに応じて、適宜修正を行い研究実施について承認を得た。承認された研究計画書に基づき、研究協力機関に説明を行い、研究実施及び協力の同意を得た。 本研究における、協力機関との連絡調整から同意を得るまでプロセスには想定した以上に時間を要した。しかしながら、それらのやり取りを通して、協力機関が本研究の目的について理解を深めることにつながったと考える。特に、児童相談所に協力の同意を得るプロセスにおいて、里親支援において何が必要かといった意見交換の機会を持てたことや、不安定なアタッチメントを形成している里親であっても、里親を支援することによって、子どもが安定したアタッチメントを形成することが示唆された海外の先行研究結果を共有することは、支援者をエンパワーメントするという意味において有意義であったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査委員会から承認を得るプロセス及び、協力機関に対する説明および同意を得るプロセスに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の研究協力機関より、研究協力者の紹介を受けた時点で、2019年度に定めた研究計画の手順に従い、介入しデータを得ていく。ただし、コロナウィルス感染症の状況を鑑みながら、必要に応じて、研究実施の延期・一時中断といった判断を行う。 また、多様な里親子への介入研究を目指して、研究対象者を当初の計画よりも広げることを検討する。さらに、昨年度の文献研究で得られた里子支援のための知見について、里親や里親支援者に伝える研修の実施も検討している。
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Causes of Carryover |
研究協力機関との連絡調整および研究倫理審査の承認プロセスに時間を要したため、2019年度後半から予定してた介入が実施できなかった。そのため、研究協力者への謝金が発生しなかった。 次年度において、研究計画に従い、研究協力者が得られた時点で、随時執行していく予定である。
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