2022 Fiscal Year Research-status Report
里親の養育困難感に対する里子のアタッチメントに焦点をあてた介入研究
Project/Area Number |
19K13956
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Research Institution | Shizuoka University of Welfare |
Principal Investigator |
上野 永子 静岡福祉大学, 子ども学部, 准教授 (30716668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 里親支援 / アタッチメント / 養育困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、4名の研究協力者に12か月の面接介入、その後の家庭訪問による行動観察および介入に関するインタビュー調査を終え、現在はデータの分析段階である。また2022年度の終わりに1名の研究協力者が得られたため、現在介入している最中である。 本研究は、里子が里親に安定したアタッチメントを形成するための里親支援の在り方を検討することを目的としている。「子どものこころに目を向ける能力」は安定したアタッチメントの形成と関連があるとされている。本研究の介入においては里親が「子どもの心に目を向ける能力」を高めることを狙いとして、子どものさまざまな行動について「子どもはどんな気持ちか?」といった問いを通して、子どもの行動の背後にある子どもの気持ちについて里親が思いを馳せることを促す面接を重ねてきた。介入後のインタビューデータでは、このような介入が、日常場面でも子どもの気持ち意識することにつながったとの回答が得られている。このことは、里親支援における面接場面で、子どもの気持ちについて問うことの一定の意味が見いだせたと言える。また、研究協力者として、定期的な面接があるからこそ、自身の支援ニーズについて訴えることができたり、里子の課題に気づくことができたといったデータも得られた。このことは、フォスタリング機関等における里親子支援においては、ニーズに基づく支援のみでなく、定期面接といった枠組みを設定することで、里親の養育困難感を含めた様々なニーズを汲み取ることができる可能性がうかがえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画に関する協力機関との調整および倫理審査に想定以上に時間を要したことに加え、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、研究の一時中止や研究協力者の募集を積極的に多な得ない状況が影響し、全体の研究計画に遅れが生じた。 また、本研究は、12か月の介入でありインタビューデータおよび観察データが主であるため、データの収集とその分析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度において残りのデータを収集し終え、順次分析する計画である。
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Causes of Carryover |
主な研究計画の全体の後ろ倒しが要因である。本年度、得られたデータの書き起こしやデータ分析の謝金などで順次使用していく計画である。
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Research Products
(1 results)