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2023 Fiscal Year Research-status Report

社会改善活動へのソーシャルワーカーの参画可能性についての研究

Research Project

Project/Area Number 19K13959
Research InstitutionOtani University

Principal Investigator

中野 加奈子  大谷大学, 社会学部, 准教授 (30726047)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywordsソーシャルアクション / 貧困問題 / 民衆のソーシャルワーク
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、 生活保護意見訴訟の原告らの生活実態について「生活保護基準と低所得者のくらし」と題して論文にまとめた。ここでは、国家による基準引き下げによる「節約の強制」が原告らの権利と尊厳、自由を奪っていること、このような実態がリスターの指摘する「屈辱的で人々を蝕むような社会関係」としての貧困であり、そうした実態を国家がもたらしていることの問題性を指摘した。
また、調査については、生活保護基準意見訴訟の原告を支援する青森県生活と健康を守る会連合会へのヒアリングを行い、市民団体によるソーシャルアクションと当事者支援の実際を検討した。この調査により、当該団体による原告支援が可能となっている背景には、長年にわたる地道な地域関係の形成、他機関連携があることがわかった。また、こうした市民団体で行われていることはラヴァレットやイオキミダスの指摘する「民衆のソーシャルワーク(popular socialwork)」として位置づけられる。このような「民衆のソーシャルワーク」の検討を深めることで、「民衆のソーシャルワーク」とソーシャルワーク専門職の接合可能性を模索したい。
さらに韓国で社会的協同組合やホームレス支援団体を視察し、どのように生活問題・社会問題の把握や政策提言を行なっているのかヒアリングした。東アジアという共通する文化を持つ韓国では、ソーシャルワーク専門職のソーシャルアクションの積極的参画が行われていることがわかった。こちらについても、社会的協同組合の歴史背景に「民衆のソーシャルワーク」が位置づいていたことが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年からのコロナ禍の影響を受けて予定が大幅に変更し、当初の予定通りの研究には至っていない。

Strategy for Future Research Activity

生活保護意見訴訟の原告を支援する「生活と健康を守る会」へのヒアリング調査を行う(大阪、兵庫、北海道など)。これにより、市民団体によるアクションの実態と、「裁判」というソーシャルアクションの手法の可能性について検討する。
また、ホームレス支援など、従来の法律の対象外とされた人々への支援活動の実際をヒアリング調査し、問題把握・政策提言・支援活動の展開などの検討を深め、ソーシャルアクションの手法について理論的整理を行う。
さらに、「民衆のソーシャルワーク(popular social work)」という概念を用いて今日のソーシャルワーク専門職が直面する課題や、ソーシャルアクションへの参画を可能とする視点・対策を提言していく。

Causes of Carryover

予定していた調査が中止・延期になったことにより使用額に変更が生じた。
2024年度には、ソーシャルアクションに関するヒアリング調査を行う。国内では生活保護基準引き下げ意見訴訟の原告を支援する団体を中心に調査する。海外では、ホームレス支援団体や地域支援団体の活動状況と、ソーシャルアクションへのソーシャルワーク専門職の関与状況についてヒアリング調査を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 生活保護基準と低所得者のくらし2023

    • Author(s)
      中野 加奈子
    • Journal Title

      人権と部落問題

      Volume: 75(10) Pages: 22-29

URL: 

Published: 2024-12-25  

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