2021 Fiscal Year Research-status Report
中国の介護市場に進出した日本式介護の質評価指標の開発および実証研究
Project/Area Number |
19K13960
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
郭 芳 同志社大学, 社会学部, 助教 (70755389)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 介護サービス / 介護観 / 介護保険制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染拡大のため、海外フィールドワークができなくなり、当初の研究計画より遅れている状況である。2021年度は前年度のフィールド調査のまとめ作業と日本国内の研究を中心に行った。詳細は下記のようになる。 1.『外国人介護士と働くための異文化理解』(大阪大学出版会)、渡辺長編著、担当執筆箇所、第8章「中国における介護観とその実践」、pp163-183. 本稿は中国の介護市場に進出した日本式介護の展開から中国の介護観を考察したものである。介護観は介護士の介護行動を影響するため,外国人介護士の受け入れ側として,送り出し諸国の仕事観や生活習慣,文化,介護観について学ばなければならない。日本式介護の展開の経験を通して,日本が外国人を受け入れる際に参考できる点を明らかにした。一つ目は,介護実践において,口頭での研修よりOJT(On-the-Job Training)を通しての教育が有効である。二つ目は,日本の介護理念を効果的に浸透するために,「このようにケアしてください」と伝えると同時に,「なぜこのようにケアをするか」も伝えるということである。これらのことは,外国人介護士受け入れのために必要なことである。 2.『福祉の政策研究入門』(明石書店)、埋橋孝文編著、担当執筆箇所、1部解題、第1章「日本の介護保険制度に関する政策評価」、pp34-51. 2000年に実施した介護保険制度は今日まで6回の法改正が行われた。本稿では、法改正の背景にどのような社会の変化があるか。一定の介護政策評価を受けた上での改正であるのか。介護保険の法改正のきっかけを探ることを通して、介護保険制度に関する政策評価の現状(方法や指標)を明らかにする。また、これらの評価はどのような役割を果たしているかをロジックモデルに当てはまって検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、中国に進出した日本の介護事業者が提供している日本式介護サービスの質を評価することを目的とする研究である。経営者である日本の介護事業者へのインタビュー調査を通して「日本式介護」の概念の整理できたが、サービス提供者である中国人介護士及びサービスの利用者を対象する調査は新型コロナウイルス感染拡大により延期せざるを得なかったことになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本式介護サービスの質評価を行う際、プログラム評価の理論の考え方を活用する。現段階では、日本式介護の中国におけるニーズのアセスメントと日本式介護の概念のアセスメントを明らかにした。今後の研究において、プログラム評価階層の日本式介護の提供プロセスのアセスメント、アウトカムアセスメントについて明確にしていく予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の拡大により、予定した現地調査の実施ができなかったため、予定経費よりも少なくなった。 昨年度より本研究の実証調査のスケジュールの見直しを行った。実施可能な調査方法を探るために、調査協力施設と対面以外の方法も含めてデータ収集方法の交渉を行ったが、高齢者を対象にするオンライン調査は難しいとの理由で拒否された。新型コロナウイルスが落ち着いてから、現地にて調査を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)