2021 Fiscal Year Research-status Report
The Role and Function of Community Base in Promoting Community Welfare
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19K13961
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
上野山 裕士 摂南大学, 教育イノベーションセンター, 講師 (20824486)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域福祉 / 交流 / 対話 / 地域拠点 / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、今年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、研究テーマである対話と交流を誘発する地域拠点は、活動の停滞を余儀なくされる期間が長引いた。そのなかで今年度は、これまで継続してきた和歌山県A市、B町におけるアクションリサーチに加え、大阪府C市における地域拠点運営者に対するインタビュー調査を実施した。以下に、その概要を示す。 大阪府C市では、高齢者が健康で自分らしく暮らしつづけられる地域づくりのために、地域拠点の整備、データベース化を進めており、登録拠点数は100件を超えている。今回は、それらの登録拠点のなかでも、拠点づくりと地域づくりを並行して進めている地域拠点8件を抽出し、その取り組みについて運営者に対するインタビュー調査を実施した。 調査の結果、拠点づくりと地域づくりを並行して取り組むことで、担い手の確保や参加者への周知を円滑に行えること、地域全体を意識した拠点づくりが可能になることが示唆された。加えて、拠点づくりに取り組むうえで、「担い手の満足度」「学びあい」「真剣さと楽しさのバランス」「こだわり」「経験の有効活用」などが重要なキーワードとなることが明らかとなった。 今年度、継続的に実施してきたアクションリサーチに加えて、多様な形態の拠点に関するインタビュー調査を行ったことにより、これまでの研究の課題であった対象限定性を補完し、対話と交流の地域拠点の機能と役割について深く検討するための定性データを収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、地域福祉に限定せず、多様な領域における地域拠点の運営者に対するインタビュー調査を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大による移動制限を踏まえ、インタビュー調査の対象者を大幅に変更した。 それに伴い、多様な領域・視点から地域拠点のあり方を検討するという研究から、地域福祉の推進(地域が抱えるさまざまな課題の解決)に向けたさまざまな取り組みから地域拠点について論じるという研究へと、方向性を変更することとなった。ただし、地域福祉の推進に向けて、対話と交流を誘発する地域拠点の機能と役割を明らかにするという研究の目的について、変更点はない。 上記により、研究計画および研究成果にも変更が生じることが予測されるが、分析、考察に向けて必要なデータは順調に収集できているため、進捗上の大きな問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となるため、これまでに収集した定性データを分析し、研究成果をまとめることがもっとも大きなタスクとなる。 ただし、さまざまな地域活動が緩やかに緩和されはじめている状況も踏まえ、適宜、アクションリサーチおよび参与観察、インタビュー調査を行うことで、さらなるデータ収集を行い、研究成果のさらなる質の向上を目指す。
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Causes of Carryover |
遠方地での調査にかかる旅費として計上していた研究費が新型コロナウイルス感染拡大による移動制限およびそれに伴う研究計画の変更により余剰が生じた。 最終年度は、これまで移動制限で十分にできていなかった現地調査を近隣地を中心に積極的に行うとともに、報告書作成のための予算として使用させていただくことを計画している。
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