2021 Fiscal Year Research-status Report
「幼児教育の貧困化」防止・脱却と就学前後の連続的な貧困予防に関する地域比較研究
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19K13966
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Research Institution | Ryukoku University Faculty of Junior College |
Principal Investigator |
中根 真 龍谷大学短期大学部, こども教育学科, 教授 (00309642)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども理解 / 「無園児」 / 森の幼稚園/ようちえん / 家庭・地域・園の生活の連続性 / 城戸幡太郎 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究実績は主に4点ある。なお、新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による移動制限・行動自粛の影響を受けるなか、本研究の着実な推進のための現実的な対応として、当初計画していた対象地域を訪問してのインタビュー調査のほか、文献調査や電話調査等の併用など調査方法に柔軟性をもたせることにした(以下、「調査の実施方針の変更」という)。 第1に事例調査の候補地であったH町立同和保育所に関する調査である。具体的には関連する文献調査をはじめ、関係者との私信のやりとり、資料提供、電話による聞き取りを実施した。第2に同和保育に関する史料調査である。具体的には事例調査の対象地域であるF市、G市を含む同和保育関連史料を大阪府立中央図書館にて複数回にわたって収集した。第3に「幼児教育の貧困化」の概念を提起した教育学者/教育心理学者・城戸幡太郎(きど・まんたろう、1893-1985)に関する先行研究を収集し、その概念の背景等の理解に努めた。第4に「幼児教育の貧困化」という視点から、幼少期における自然体験や自然との出会い方の多様性を論述した研究活動報告、保育者養成における「子ども理解」を問いなおす論文をそれぞれ執筆した。 以上のように、「幼児教育の貧困化」防止・脱却に関する歴史的な経験、現代的な様相や実態の一端を明らかにすることができた。その一方、就学前後の連続的な貧困予防の取り組み事例の把握が遅延しており、課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査の実施方針の変更によって、インタビュー調査に代わるかたちで関連文献等の収集が進展する一方、収集資料の整理や分析の時間が十分確保できず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止という観点から無理のない現実的な調査・研究の推進に努め、当初の研究目的の遂行を損なわない範囲での柔軟な変更・調整を図る。とりわけ、収集済みの資料について、事例調査対象地域別の整理・分析を集中的に進め、その成果を適宜、学会報告や論文にとりまとめる。
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Causes of Carryover |
調査の実施方針の変更によって、旅費をはじめインタビュー調査に付随する諸経費(謝金、テープ起こし業務委託費)がほぼ未執行となった。2022年度は研究の最終年度にあたるため、旅費等に代わる他の費目での合理的な執行を計画する。
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Research Products
(2 results)