2022 Fiscal Year Annual Research Report
「幼児教育の貧困化」防止・脱却と就学前後の連続的な貧困予防に関する地域比較研究
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19K13966
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Research Institution | Ryukoku University Faculty of Junior College |
Principal Investigator |
中根 真 龍谷大学短期大学部, こども教育学科, 教授 (00309642)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子育て家庭の多様性 / 階層差 / 無園児 / 子ども理解 / 城戸幡太郎 / 同和保育/人権保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「幼児教育の貧困化」の防止・脱却のため、同和保育所/旧・同和保育所および当該地域における経験に着目し、年長児保育と保護者支援、さらに「保小連携」の実態に迫り、就学 前後の連続的な貧困予防の意義と可能性を明らかにすることであった。 2022年度の研究成果のタイトルは、①「経済格差、地域格差のなかの『遊べない子ども』と『遊べなかった子ども』」、②「保育者による子育て家庭の多様性理解―『幼児理解と教育相談』の前提を問う―」である。なお、関連する研究として龍谷大学社会的孤立回復支援研究センター子育て家庭ユニットの研究代表を務めた(参考URL:https://sirc.info/unit/parenting)。 以下、各年度の研究概況を述べる。2019年度は事例調査のための基礎としてA県B市C学区に関するパイロットスタディを実施し、C学区における年長児保育、保護者支援、保幼小連携の実態に関する基礎的な調査をふまえ、暫定的な調査仮説を設定した。2020年度は4月以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や移動制限によって計画していた事例調査(F市、G市、H町)の進捗が大幅に遅れた。代替的に実施可能な研究として各市町に関する文献の収集と調査を実施し、前年度実施したパイロットスタディの結果を論文にまとめた。2021年度はコロナ禍を考慮し、調査の実施方針を変更した。研究の着実な推進のため、訪問してのインタビュー調査のほか、文献調査や電話調査等の併用など柔軟性をもたせ、以下を展開した。①H町立同和保育所に関する文献調査、関係者との私信のやりとり、電話による聞き取りを実施した。②F市、G市を含む同和保育関連史料を収集した。③「幼児教育の貧困化」の概念を提起した城戸幡太郎に関する先行研究を収集した。④幼少期における自然体験や自然との出会い方の多様性を論述した論文等を執筆した。
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Research Products
(2 results)