2020 Fiscal Year Research-status Report
DFC構築のための基盤的研究;認知症当事者の回復と参画のプロセスの可視化
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19K13968
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
宮前 史子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60415502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 当事者 / 自助グループ / アクションリサーチ / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も引き続き、アクションリサーチの手法を用いて、本人ミーティング開催の実行の可能性と参加者の語りやグループの変化のプロセスを検討した。 今年度はCOVID-19の世界的な流行のため、国内でも緊急事態宣言に伴う活動自粛が要請された。そのため、本研究も4月から6月まで中断を余儀なくされた。中断中は、緊急事態宣言解除後の本人ミーティングの在り方、感染予防対策を含めた運営について認知症の本人を含めたスタッフで議論した。緊急事態宣言解除後は、近隣のみにとどめた周知を行うなど会を縮小し感染予防対策を行いながら本人ミーティングを再開した。感染予防対策はマニュアル化してスタッフに周知徹底し、参加者にも協力を依頼した。 2020年度末で本人ミーティングは25回開催した。1回の出席者は平均10.5名であった。新型コロナ流行中の6月から3月までの平均出席人数は13.1名であった。再開後も新規参加者が順調に増えており、コロナ禍でも、認知症の本人や認知機能低下の不安を抱えた人々の交流の場は必要であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、COVID-19の世界的流行による影響から、活動の自粛が求められ、研究が一時中断した。開催時間の短縮や周知の縮小など含め感染予防対策を行い、規模を縮小しながら開催している。図書館など他組織や他地域で開催している本人ミーティングとのコラボレーションは進展していない。 しかし、本人ミーティング参加者からの要望で、認知症のことを学ぶ勉強会を行う計画である。認知症の本人と認知症でない人が一緒に学べる内容かつ、認知症の本人以外の参加者が当事者性をもって参加する手法について検討しており、次年度から開始する予定である。 業績としては、昨年度の活動については「認知症とともに生きる人が希望と尊厳をもって暮らし続けるために,私たちができること 居場所と仲間はどんな効果をもたらしたか?東京都内団地での取り組み例 」認知症ケア事例ジャーナル13巻2号に報告した。また、第22回認知症ケア学会にて、「地域住民が集まる本人ミーティングでは何が語られているのか?:DFCs実現のための基礎的研究」を報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目は、COVID-19 の感染予防対策を行いながら、引き続き本人ミーティングの定期開催を目指す。質的分析を行い、本人ミーティング参加者とグループの変化について検討し、論文化する。本研究で行った本人ミーティングの運営についての知見を手引きにまとめる。加えて、新たに認知症のことを学ぶ勉強会を立ち上げ、認知症の本人と認知症ではない人がともに学べるカリキュラムを開発し、プロセスを検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行により移動が制限されたため、先進地域への見学や国際学会学会参加旅費を使わなかったため、予定の使用額よりも少なくなった。
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