2021 Fiscal Year Research-status Report
DFC構築のための基盤的研究;認知症当事者の回復と参画のプロセスの可視化
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19K13968
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
宮前 史子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60415502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / 当事者 / 本人ミーティング / 自助グループ / ピアサポート / アクション・リサーチ / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
アクションリサーチの手法を用いて、本人ミーティングを開催しながら、実行可能性、参加者の語り、グループの変化の過程を検討した。今年度もCOVID-19 の世界的な流行から緊急事態宣言が繰り返し発令され、活動自粛が要請されたため、周知を近隣にとどめて感染予防対策を行いながらミーティングを開催した。参加者からの希望により、認知症の勉強会を独立させ、「認知症ゼミナール」として本人ミーティングの前に開催した。「当事者同士の交流」「認知症の勉強」と目的を明確にして会を分けたことで、どちらの会もより参加者のモチベーションが上がり、人数も順調に増えている。また、区内、区外の他の地域より、本人ミーティング開催のコンサルテーションを依頼されることも増えており、今後は本研究で行っている本人ミーティングの方法の有効性を検証することを検討中である。 2021年度末までに本人ミーティングは37回開催された。2021年度中はのべ133名が参加した(1回の平均参加人数11.1名)。認知症ゼミナールは12回開催され、同年度中はのべ116名が参加した(1回の平均参加人数9.7名)。 今年度は、「地域住民が集まる本人ミーティングでは何が語られているのか?:DFCs実現のための基礎的研究」のテーマで第22回日本認知症ケア学会(オンライン開催)に、「地域在住の認知症の本人と高齢者と協働して行う勉強会「認知症ゼミナール」の実践」のテーマで、第80回公衆衛生学会総会に報告した。また、「【ピアサポートの力を活かす】地域に暮らす認知症の人と高齢者のピアサポート」というテーマで精神科(1347-4790)39巻4号 Page499-506(2021.10)に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の世界的な流行による影響により、引き続き研究の縮小を余儀なくされている。開催時間の短縮や周知の縮小、他地域で開催している本人ミーティングの見学やコラボレーションなどはまだできていない。しかしながら、本人ミーティング参加者との協働により、認知症について学ぶ勉強会が始まり、参加者が主体的に認知症について学ぶ方法について検討している。 業績としては、第22回日本認知症ケア学会(オンライン開催)に、「地域住民が集まる本人ミーティングでは何が語られているのか?:DFCs実現のための基礎的研究」のテーマで、第80回公衆衛生学会総会に「地域在住の認知症の本人と高齢者と協働して行う勉強会「認知症ゼミナール」の実践」のテーマで報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究4年目は、COVID-19の感染予防対策を行いながら、引き続き本人ミーティングを継続的に開催する。得られたデータを整理し、質的分析を行い、本人ミーティングの内容や参加者とグループの変化について検討し、論文化する。本研究の本人ミーティングの運営方法についての知見を手引きにまとめる。加えて、認知症の勉強会の開催方法や使用した資料などを整備し、他地域でも開催できるような教材として共有できるようまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度も、学会発表や見学による旅費、本人ミーティングの縮小開催により謝金等が発生せず、予定よりも使用額が少なくなった。
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