2022 Fiscal Year Research-status Report
DFC構築のための基盤的研究;認知症当事者の回復と参画のプロセスの可視化
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19K13968
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
宮前 史子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60415502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / 当事者 / 本人ミーティング / セルフヘルプ・グループ / ピアサポート / アクション・リサーチ / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、アクションリサーチの手法を用いて、本人ミーティングを開催しながら、実行可能性、参加者の語り、グループの変化の過程を検討した。今年度もCOVID-19の流行は昨年度に比べれば落ち着いてきたものの、感染リスクの高い高齢者を集めての活動であるため、周知を近隣にとどめて感染予防対策を行いながらミーティングを開催した。2022年度の参加者数はのべ201名(平均出席者数16.8名)であった。本人ミーティングで語られたことについて質的分析を行い論文化した。現在国際誌に投稿中である。 参加者からの希望により開始した勉強会「認知症ゼミナール」は、参加者の主体性を尊重し、毎回のテーマは参加者が決めることが特徴であり、20回で終結した。周知を控えていたにもかかわらず、のべ236名が参加(平均出席者数は11.8名)し、最大18名の参加があった。参加者の満足度は高かった。特筆すべきは、認知症に関する学習だけでなくACPがテーマとして取り上げられたことにある。この試行をもとに当事者の立場で認知症の知識、社会資源、そしてACPまでを学び議論するプログラムを作成中である。また、本件については、次年度開催の日本認知症ケア学会第24回大会で報告予定である。 区内、区外の他の地域より、本人ミーティング開催に関する研修依頼とコンサルテーションの依頼が増えてきている。現在、1地域の立ち上げを支援し、現在2地域をコンサルテーション中である。今後は本人ミーティングの立ち上げの方法や課題に関して検討し、一般化について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の世界的な流行による影響により、開催時間の短縮や周知の縮小、他地域で開催している本人ミーティングの見学やコラボレーションなどはまだできていない。しかしながら、本人ミーティング参加者との協働によって始まった認知症ゼミナールは予想以上の成果を得ることができた。また、これまで得たデータをもとに論文化にも着手することができ、成果の発信に取り掛かることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究5年目は、COVID-19の感染予防対策を行いながら、引き続き本人ミーティングを継続的に開催する。本人ミーティングの運営方法の手引き化に加えて認知症ゼミナールのプログラム化と実行可能性の検討を行い、他地域でも開催できるような教材として共有できるようまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度も、学会発表や見学による旅費、本人ミーティングの縮小開催により謝金等が発生せず、予定よりも使用額が少なくなった。
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