2020 Fiscal Year Research-status Report
障害者就労支援分野におけるスーパーバイザー熟達過程の探索的検討及び促進要因の解明
Project/Area Number |
19K13969
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
石原 まほろ 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (50813002)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 就労支援従事者 / スーパービジョン / 資質 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、我が国の障害者の就労支援分野の職場内スーパーバイザーに求められる重要な資質を明らかにすることを目的とした調査を実施した。就労支援分野の専門家として、職場内スーパービジョンを担った経験が豊富な障害者職業カウンセラー及び障害者の就労支援経験のある研究者13名を対象に3段階のデルファイ法を実施した。 第1段階では、就労支援分野の職場内スーパーバイザーに求められる資質に関する157項目の自由記述が得られた。それらの類似性・異質性を比較検討し整理した結果、知識、スキル、態度に関する5領域63項目が抽出された。第2段階では、第1段階で得られた自由記述から抽出された63項目を対象者に提示し、「重要度がとても高い」から「重要度がとても低い」の5件法で重要度の評価を求めた。第3段階では、第2段階で得られた各項目の平均値と四分位偏差を対象者に提示し再び5件法で重要度の評価を求め、各項目の平均値と四分位偏差を算出した。その結果、いずれの項目も重要度が高いと判断され、特に重要度が高いとされる41項目が特定された。障害者の就労支援分野の職場内スーパーバイザーには、就労支援で求められる実践的な知識やスキル、スーパーバイジーを受容し気づきを促すスキルなどのスーパービジョンの支持的機能や教育的機能に関する資質の他、スーパーバイジーの主体性を促す態度が重要と認識されていた。 本研究の意義は、就労支援分野の専門職でありスーパービジョン経験が豊富な障害者職業カウンセラー及び就労支援経験を有する研究者などの専門家を対象とし、我が国の就労支援分野の職場内スーパーバイザーに求められる資質の整理を試みた点にある。得られた知見は、就労支援分野の職場内スーパーバイザーの養成のあり方を検討する上で基礎資料として活用できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度計画どおりの進捗で研究を遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に予定していた大規模調査は研究代表者の異動に伴う科研費の資格喪失により実施困難となった。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会等がオンライン開催となり、当該研究に係る情報収集のための費用として積算していた旅費が不要となり、経費の削減を図ることができたため。
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