2020 Fiscal Year Research-status Report
The Social Work Practice for Promoting the Social Integration of Vietnamese Refugees Living in Japan
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19K13986
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
荻野 剛史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (00410861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 難民 / 統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、後述の通り新型コロナイルスの蔓延により、研究活動に大きな支障が生じ、予定していた海外でのインタビュー調査が困難となり、また図書館へのアクセスに支障が生じたため、文献入手が困難となった。このため、主にインターネットを用い、本研究のコア概念である、難民の「統合(社会統合)」についてリサーチを行った。 研究代表者はこれまでの研究活動において、いくつかの文献のレビューを通じて滞日難民の社会統合について「滞日難民が、平時活動する社会において周囲の人々と同等の権利義務を有し、かつ日本での生活にあたって必須な有形無形の要素を取得した上で、周囲の人々と交流しながら生活できる状態、及びこのような生活の過程」(荻野 2018: 73)と定義した。しかしここに含まれる要素に加え、より近年では多文化的アプローチ(例えば、宮島 2018)、が含まれ得ることが確認できた。 その一方、難民の「統合(社会統合)」に関する定義について、いくつかの課題を確認した。①まず難民の統合の促進要因となり得る制度・政策面に関する視点、即ち各国における難民や移民に対する社会統合に関する制度・政策において、どのような状態を理想像・ゴールと捉えているのか、この視点からの言及が現状では弱いこと。②また難民(移民)当事者や彼らを取り巻く人々が考える「統合(社会統合)」に関する言及が不足していること。 以上の点から、先行研究のレビューなどを通じてこれらの点を明らかにし、難民の「統合(社会統合)」についてより精緻化する必要性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、主にインタビュー等の調査の実施を予定していたが、新型コロナウイルス蔓延による渡航制限等により、すべての調査が実施できなかった。また図書館へのアクセスも制限されており、必要な文献の入手に支障が生じていることから「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の遅れを取り戻すために、いくつかの方策の実施を検討する。①前述の通り「(社会)統合」概念については、先行研究のレビューからいくつかの課題を確認したため、この点を含めて検討を続ける。②海外でのインタビュー調査は引き続き実施の方策を探るが、研究期間の兼ね合いにより渡航が難しい場合は、ビデオ会議システムを利用したインタビュー調査の実施を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、当初予定していた海外でのインタビュー調査及び学会出席ができず、また国内での図書館等における文献収集に困難が生じ次年度使用額が生じた。次年度については、新型コロナウイルスの蔓延の蔓延状況を踏まえつつ、可能な限りインタビュー調査を実施(ビデオ会議システムの活用も含む)し、また必要な文献の入手に努める。
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