2019 Fiscal Year Research-status Report
自立生活運動と事業の展開における非障害者のソーシャルワーク実践に関する研究
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19K13993
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
伊藤 葉子 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (80319144)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自立生活運動 / 自立生活センター / 障害者福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、以下の探求を行うことが目的であった。①自立生活運動と事業の展開を障害者福祉制度の変遷とともに整理する。②特に主な対象となる法人及び法人関係者に同意を得たうえで、事業展開の整理を行う。③対象となる地域内を中心とした関連する自立生活センターにその設立経緯や事業内容について聞き取り調査を行う。④次年度のアンケート実施にむけた予備的な聞き取り調査を行う。 「①自立生活運動と事業の展開を障害者福祉制度の変遷とともに整理する。」「②特に主な対象となる法人及び法人関係者に同意を得たうえで、事業展開の整理を行う。」の2点については、これまでの研究実績をもとに、聞き取り調査を踏まえた整理を実施した。「③対象となる地域内を中心とした関連する自立生活センターにその設立経緯や事業内容について聞き取り調査を行う」については、愛知県内の各法人・団体への聞き取りの実施は完了したが、関連する県外団体への聞き取りについては、夏の東北地域での台風被害、聞き取り対象者の体調不良により一部変更の必要が生じた。また、年末から年明以降、新型コロナウイルス感染拡大による移動の制限や聞き取り対象者の感染リスク軽減のため、聞き取り調査が実施できておらず、やや遅れが生じている。「④次年度のアンケート実施にむけた予備的な聞き取り調査を行う」については、当初の予定では、自立生活センターの「非障害者」のみを対象とするアンケートの実施を想定していたが、予備的な聞き取りのなかで、「障害当事者」スタッフから見る「非障害者」スタッフの役割と任務も同時に聞き取るとともに、当事者組織における「障害当事者」スタッフの役割と任務についても把握すべきではないかという指摘も受けた。 本研究は、「非障害者」スタッフに焦点を当てるものではあるが、組織全体の事業展開について、組織内における各スタッフの役割やあり方についても明確にしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象となる法人における自立生活運動と事業の展開についての整理はほぼ完了している。また、対象地域内を中心とした各法人・団体への聞き取りの実施は完了した。 しかし、関連する県外団体への聞き取りについては、夏の東北地域での台風被害、聞き取り対象者の体調不良により一部変更の必要が生じた。年末から年明以降、新型コロナウイルス感染拡大による移動の制限や聞き取り対象者の感染リスク軽減のため、聞き取り調査が実施できておらず、やや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に完了し切れていない、県外法人・団体への聞き取りについては、新型コロナウイルス感染拡大の状況を見ながら一部変更を加えることも検討する必要がある。特に、聞き取り対象者の感染リスクを考えると、調査方法について検討を要すると考える。場合によっては、オンラインによる聞き取りなどの実施を検討したい。 2020年度に予定している対象法人内スタッフに対するアンケート調査の実施、個別聞き取り調査については、アンケートの設計を夏までに、アンケートの実施と単純集計を年内、個別聞き取りの実施を年度内に開始することを目標としたい。 また、明らかになった成果を、日本社会福祉学会、障害学会などで学会発表、論文投稿という形で公表していきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた自立生活センターへの聞き取りのうち、宮城・仙台への訪問を台風被害や聞き取り対象者の体調不良等により中止し、主な調査対象団体である愛知県内団体と関連が深く、当事者運動の広がりを把握可能な京都の団体と当事者に変更することとした。しかし、年明けに予定していた聞き取り調査及び関連する研究会等への参加が新型コロナウイルス感染拡大による感染リスクの軽減や度重なる中止により、実行できず、次年度使用額が生じた。 今後、現状のような行動制限が継続する可能性もあり、研究方法を直接訪問ではなくオンラインでの聞き取り調査への変更を検討するとともに、研究会への参加は開催時期の変更を把握しながら、次年度の研究を推進していきたい。
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